最新記事

南米

ベネズエラ、警察ヘリが最高裁と内務省を攻撃 大統領退陣求める

2017年6月28日(水)15時00分

6月27日、ベネズエラの首都カラカスで、最高裁判所と内務省がヘリコプターによる攻撃を受けた。マドゥロ大統領はクーデターを狙う「テロリスト」による攻撃だとして非難した。写真は憲法制定国民議会でスピーチを行う同大統領。提供写真。カラカスで撮影(2017年 ロイター)

ベネズエラの首都カラカスで27日、最高裁判所と内務省がヘリコプターによる攻撃を受けた。マドゥロ大統領はクーデターを狙う「テロリスト」による攻撃だとして非難した。

攻撃は警察のヘリで行われた。当局者は、ヘリが内務省に向けて15発を発砲し、最高裁に手投げ弾4発を落としたと明らかにした。負傷者が出たとの情報はない。

目撃者によると、最高裁、大統領府、政府の主要施設が位置するカラカス中心部で爆発音が聞こえた。

マドゥロ大統領は「このテロリスト攻撃の背後にいる人物を拘束する」とし、「多くの死者が出ていた可能性もあった」と述べた。

ベネズエラ政府は、大統領に対する反乱を表明した警察のパイロット、オスカル・ペレス氏がヘリを盗んだと発表した。

ペレス氏のインスタグラムのアカウントには、覆面の武装グループの前に立ち、民主主義の回復に向けた作戦が進行していると話す同氏の動画が掲載された。「犯罪的」な政府に反対する軍や警察などのグループを代表しているとし、マドゥロ大統領の辞任と総選挙の実施を呼び掛けた。

政府は、ペレス氏が情報当局の元トップ、ミゲル・ロドリゲス氏に関連した人物だとしている。

大統領の反対勢力は、内務省を弾圧の拠点とみなしている。最高裁についても、大統領の権限を拡大したり、野党が制する議会を弱体化させる判断をたて続けに示しているとして、強く反発している。

ベネズエラでは3カ月にわたり反政府デモが続き、少なくとも75人が死亡。デモ参加者は総選挙の実施、深刻な経済危機への対応、反政府活動家の釈放、議会の独立を求めている。

[カラカス 27日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

岸田首相、「グローバルサウスと連携」 外遊の成果強

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を受け、炎上・爆発するロシア軍T-90M戦車...映像を公開

  • 4

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 5

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 6

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 7

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 10

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 7

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中