最新記事

選挙

英総選挙、与党保守党は第1党維持するも過半数割れに 政局混迷か

2017年6月9日(金)08時15分

6月8日、英総選挙(下院、定数650)は8日実施され、投票終了後に明らかになった出口調査によると、与党・保守党は過半数には届かない見込み。写真は集計作業(2017年 ロイター/Paul Childs)

英総選挙(下院、定数650)は8日実施され、出口調査によると、メイ首相率いる与党・保守党の獲得議席は314議席となり、過半数には届かない見込み。政治が混迷し、欧州連合(EU)離脱交渉に遅れが生じる可能性がありそうだ。

野党・労働党は266議席を獲得する見込み。どの政党も過半数に届かない「ハングパーラメント」となる。

その他の政党の獲得見込み議席数は、スコットランド民族党(SNP)が34議席、中道左派の自由民主党が14議席、ウェールズの地域政党「プライド・カムリ(ウェールズ党)」が3議席、緑の党が1議席。

出口調査に基づけば、コービン党首率いる労働党がこうした小規模政党と政権を樹立しようとする可能性がある。保守党が過半数割れとなることで、メイ氏は党首として責任を問われることになりそうだ。

労働党がEU離脱に強硬に反対しているSNPや自由民主党の支援を受けて実際に政権を担うことになれば、英国の将来は保守党が描く道のりから大きく外れ、2回目の国民投票が実施される可能性も高まりかねない。

出口調査の結果は金融市場に衝撃を与えた。世論調査で保守党勝利が見込まれていたことを受け、ポンドは対ドルでこの日午前には2週間ぶりの高値1.2978ドルをつけていたが、出口調査の結果が明らかになると1.2780ドル前後まで下落した。

2010─16年に財務相を務めたジョージ・オズボーン氏はITVに対し「出口調査が正確とすれば、保守党とメイ首相にとって全くの惨事だ」と述べた。

最終的な開票結果が明らかになるまで誰が次期政権を担うのか予測し難い情勢だ。

同氏は「出口調査が正しい場合、保守党がどのように連立を組むのか見通すのは困難だ」と指摘。「しかし、同様に労働党がどのように連立を組むのか見通すのもかなり困難であり、極めて不安定な状態にある」と語った。

[ロンドン 8日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

鉄鋼関税、2倍の50%に引き上げへ トランプ米大統

ビジネス

アングル:トランプ関税、世界主要企業の負担総額34

ワールド

トランプ米大統領、日鉄とUSスチールの「パートナー

ワールド

マスク氏、政府職を離れても「トランプ氏の側近」 退
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
  • 4
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 6
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中