最新記事

飛行機

米ボーイング、AIが自動操縦する旅客機を開発 来年から試験飛行

2017年6月9日(金)16時00分

6月8日、米航空機大手ボーイングは、パイロットが不要な完全な自動操縦ジェット旅客機の開発を視野に入れており、来年は関連技術のいくつかで試験の実施を目指すと明らかにした。写真は、同社のロゴ。都内で昨年10月撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

米航空機大手ボーイングは、パイロットが不要な完全な自動操縦ジェット旅客機の開発を視野に入れており、来年は関連技術のいくつかで試験の実施を目指すと明らかにした。

製品開発担当のバイスプレジデント、マイク・シネット氏は、完全な自動操縦旅客機というと荒唐無稽に思うかもしれないが、既に自動操縦ドローンは1000ドル以下の価格で売られており、「こうした技術の基本部分が入手可能なのは明らかだ」と述べた。

自身もパイロットであるシネット氏は、今年の夏にコックピットのシミュレーターを使ってこうした技術の試験を行う予定で、来年にはパイロットに代わってAI(人工知能)が判断する技術を搭載した機体を飛ばす計画だとした。

航空業界団体の航空安全ネットワーク(ASN)によると、自動操縦旅客機は航空安全基準を満たさなければならない。しかし当局はまだこうした基準を整備していない。

シネット氏は「この問題にどう対処するのか、まだ分からない。しかし既に研究は行っており、解決方法を開発している」とした。

また2009年にUSエアウェイズ機がニューヨークのハドソン川に不時着し、乗客乗員全員が無事だった事故を引き合いに出し、自動操縦の性能がこの時のパイロットの技量と同程度に達しなければ実現は不可能だとした。

航空機では既に自動操縦技術が部分的に導入されており、標準的な旅客機でパイロットの数がこの数年で3人から2人に減った。ただ、航空旅客需要がこのままのペースで増え続ければ、20年後には150万人のパイロットが必要になると予想されている。

[シアトル 8日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日産、横浜本社ビルを970億円で売却 リースバック

ビジネス

ドイツ鉱工業生産、9月は前月比+1.3% 予想を大

ビジネス

衣料通販ザランド、第3四半期の流通総額増加 独サッ

ビジネス

ノジマ、グループ本社機能を品川に移転
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイロットが撮影した「幻想的な光景」がSNSで話題に
  • 4
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 5
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 6
    カナダ、インドからの留学申請74%を却下...大幅上昇…
  • 7
    もはや大卒に何の意味が? 借金して大学を出ても「商…
  • 8
    約500年続く和菓子屋の虎屋がハーバード大でも注目..…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中