最新記事

安倍晋三

海外投資家が日本株売り 安倍退陣のスーパーテールリスク警戒も

2017年3月31日(金)16時36分


ゼロではないリスク

一方、BNPパリバ証券・グローバルマーケット統括本部長、岡澤恭弥氏は、日本株が売られた理由は、トランプリスクだけではないと指摘する。「森友学園問題で、安倍首相退陣のリスクが、ゼロではないとの認識が広がった。プットオプションの仕込みもみられている」という。

海外勢が日本株に投資する大前提は、安倍政権の安定感だ。安定政権による強力なリーダーシップで金融政策と財政政策が、景気刺激的に同じ方向へ動くようコーディネートさせたところに、アベノミクスの本質があるとされる。

「もし安倍首相が退陣し、再び1年ごとに首相が交替するような時代に戻れば、政治のリーダーシップは失われ、日銀は金利の正常化、財務省は財政健全化に動くかもしれない。そうなれば海外勢は円高・株安材料と受け止める」と岡澤氏は話す。

アベノミクス相場で海外投資家は、2013年に日本株を約15兆6700億円買い越している。2014年は6967億円の買い越しに減速。15年は3兆2820億円の売り越しに転じた。16年も2兆1930億円の売り越しだ。

2013年をスタートとすれば、まだ8兆円強の買いが残っている。足元の日本企業の業績は過去最高水準で、これが一気にすべて巻き戻される可能性は大きくはない。しかし、円安による業績押し上げ効果は大きく、インバウンド消費などを含め、先行き不透明感は濃くならざるをえない。

不思議な国、ニッポン

現職の首相が辞めるパターンは、大きく3つ。内閣不信任案の可決、解散、そして自らの辞任表明だ。

現在、与党は衆参両院で3分の2の多数を占めている。よほどのスキャンダルが出てこない限り、与党の一部が内閣不信任案に賛成し、可決される可能性は低い。

解散も考えにくい。政治問題がくすぶる中で今、解散すれば議席を失う可能性は大きいためだ。過半数は維持したとしても自公全体で20議席を失えば、憲法改正発議に必要な3分の2議席を割り込んでしまう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米潜水艦がイラン軍艦を魚雷で撃沈、87人死亡 スリ

ワールド

イラン、米CIAに停戦に向けた対話の用意示唆=報道

ビジネス

ミランFRB理事、年内利下げ継続を主張 「イラン攻

ビジネス

金利据え置きを支持、インフレ見通しはなお強め=米ク
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 6
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 7
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 8
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 9
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 10
    イランへの直接攻撃は世界を変えた...秩序が崩壊する…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中