最新記事

ブレグジット

EU議長国「ユーロ圏はポンド安の影響討議を」 競争力低下を懸念

2017年3月30日(木)09時54分

3月29日、EU議長国マルタのムスカット首相(写真)は、英国のEU離脱交渉中にポンド下落の影響をユーロ圏で討議する必要があるとの認識を示した。バレッタで29日撮影(2017年 ロイター/Darrin Zammit Lupi)

欧州連合(EU)議長国マルタのムスカット首相は29日、英国の欧州連合(EU)離脱交渉中にポンド下落の影響をユーロ圏で討議する必要があるとの認識を示した。

英国がEU離脱を正式に通知した直後の会見で述べた。

ムスカット首相は、英国を除くEU加盟27カ国、とりわけユーロ圏19カ国が、2016年の英国民投票後のポンドの急落に起因する悪影響を緩和する必要があると指摘。

ユーロ圏に来る英国人にとって物やサービスなどの価格が上昇していることを挙げ「ポンドの価値変化が、ユーロ圏が経験していることだ」と述べ「一部製品について欧州の競争力が下がり、英国のそれは高まっている」と指摘。

ユーロ圏はこの問題を、特定の為替相場水準を打ち出すためでなく、一部企業が支援を必要としているという観点から検討する必要があると述べた。ただし何らかの提案を出す場合、政府支援に関するEUの定めに抵触しないようにしなければならないと強調した。

また、英国とEUの将来の関係に関する最終合意は、EU加盟時よりも劣る内容であるべき、とも述べた。

[バレッタ 29日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

スペースXの米スパイ衛星網構築計画、ノースロップが

ワールド

米高官、ラファ侵攻計画に懸念表明 イスラエルと協議

ワールド

イスラエルの長期格付け、「A+」に引き下げ =S&

ビジネス

米アトランタ連銀総裁、インフレ進展停滞なら利上げに
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 4

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 5

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 6

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 9

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 10

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中