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移民政策

トランプのメキシコいじめで不法移民はかえって増える

2017年2月22日(水)21時00分
モリー・オトゥール

つまり、トランプ政権の新指針がかえってメキシコとの関係を悪化させ、移民の北上を後押ししてしまう可能性があるのだ。

トランプ政権はまた、不法移民は出身国に強制送還するのではなく、移民が国境を越えた国に送還してもいいという新しい条項を設けた。つまり、メキシコとの国境を越えてきた移民は、メキシコ人であろうとなかろうとメキシコに送り返すということだ。移民や難民の申請を審査する間、メキシコ側に留め置けばかなりの費用と資源の節約になる。

ただし、あくまでメキシコの同意が必要だ。「もちろんメキシコは受け入れる必要はない」と、ウィルソンは言う。「メキシコにも入国を許可する相手を選ぶ権利がある」

ケリーは先月、上院の指名承認公聴会で証言した。「本当に麻薬や犯罪者がアメリカにくるのを防ぎたいなら、『壁』ははるか南に建設しなければならない。本当の国境警備は、リオ・グランデ川の2400キロ南で始まる。中南米のジャングルだ」

だとすれば尚のこと、今アメリカに必要なのはメキシコの協力であって国境の壁ではない。

From Foreign Policy Magazine

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