最新記事

北朝鮮

金正男の遺体は北朝鮮引き渡しへ 真相は迷宮入りとの見方も

2017年2月16日(木)18時58分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

金正男暗殺を伝えるニュースを見つめるソウルの市民 REUTERS

<マレーシアで起きた金正男暗殺事件は3人目の容疑者が逮捕されるなど、捜査が進みつつある。しかし北朝鮮以外の国籍の人物が容疑者としてあっさりと拘束されたことについて疑問の声も上がっている>

マレーシアのクアラルンプール空港で12日に発生した金正男暗殺事件は、16日に現地の警察が容疑者6人のうち3人を逮捕、捜査が進んでいるかに見える。しかし、当初予想された犯人像──高度に訓練された北朝鮮の工作員というとは異なり、ベトナム、インドネシアなどの第三国の国籍の人物が、短時間で捕まった。

韓国メディアのアジア経済によれば、実は捜査が真相究明できないまま迷宮入りするのではないかという懸念が出てきているという。

マレーシア警察当局は16日午前2時、金正男暗殺事件の容疑者としてインドネシアのパスポートを所持した女性1人を逮捕。さらに午後にはこの女性の交際相手とされるマレーシア人男性1人を逮捕した。警察は前日午前にクアラルンプール空港でベトナム国籍のパスポートを所持する29歳の女性1人も逮捕しており、これで正男暗殺事件関連で3人を逮捕したことになる。

マレーシア警察は、女性2人、男性4人の6人が今回の事件の容疑者とみて、残る3人の行方を追っている。またマレーシアの裁判所は2人の女性容疑者に対し7日間の拘留を命じた。

16日に逮捕された2人目の女性はインドネシアのセラン出身の「シティ・アイシャ」という名前のパスポートを所持していることが判明した。また、この日逮捕された男性が、今回の事件に関わったとされる4人組のうちの1人かどうかは確認されていない。

15日、最初に逮捕された女性はベトナム・ナムディン出身の29歳の「ドアン・ティ・フォン」と書かれたパスポートを所持していた。この女性は警察の取り調べに対し、「自分は女友達とマレーシア旅行に来て、同行の男性4人から『空港の乗客を相手にいたずらをしよう』と提案されてやった。相手が金正男だとは知らなかった」と供述したという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

プーチン氏、米の攻撃「正当性なし」 イラン外相と会

ワールド

イランのフォルドゥ核施設、「非常に重大な」損害予想

ワールド

米国によるイラン攻撃で航空網混乱、GPS妨害急増

ビジネス

ヘッジファンドのレバレッジ、5年ぶり高水準=ゴール
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「過剰な20万トン」でコメの値段はこう変わる
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり得ない!」と投稿された写真にSNSで怒り爆発
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    イランとイスラエルの戦争、米国より中国の「ダメー…
  • 6
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 7
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    EU、医療機器入札から中国企業を排除へ...「国際調達…
  • 10
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 1
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 6
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 7
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 8
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 9
    イランとイスラエルの戦争、米国より中国の「ダメー…
  • 10
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 9
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中