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EU英EU離脱に向けた個別交渉、EUを分裂させる恐れ=欧州委員長
2月11日、欧州委員会のユンケル委員長(写真)は、英国が欧州連合(EU)離脱交渉で各加盟国に別々の約束をすることで、EUの分裂を引き起こす恐れがあるとの見解を示した。1月撮影(2017年 ロイター/Christian Hartmann)
欧州委員会のユンケル委員長は、英国が欧州連合(EU)離脱交渉で各加盟国に別々の約束をすることで、EUの分裂を引き起こす恐れがあるとの見解を示した。ドイツのラジオ局ドイチュラントフンクとのインタビューで語った。
英国は来月、EUとの間で離脱協議を正式に開始する予定。これについて委員長は「英国以外の27カ国はまだ知らないが、英国はどのように進めるかをよく分かっている」と指摘。「A国に一つの約束をし、B国には別の約束、C国にはまた別の約束をすることで、結果的にEUの結束が崩れることになるかもしれない」と述べた。
ユンケル氏は、トランプ米大統領や英国のEU離脱(ブレグジット)に関して、EUが結束を固め、足並みを揃えて前進する機会を提供しているとの見方があるが「私はやや懐疑的に考えている」と表明。「英国は容易に他の27加盟国を分裂できるからだ」とした。
また、27加盟国が協力関係を強化できる分野として、防衛を挙げた。
委員長はトランプ政権の保護主義的な通商政策にも言及。「われわれはこの変化を活用すべき」として、新たな通商協定を締結するチャンスだとの認識を示した。その上で「英国には他の加盟国と通商協定を結ぶことを許してはならない。それは認められていない」と強調した。