最新記事

アメリカ経済

米GM国内に10億ドル追加投資へ メキシコから部品生産を移管

2017年1月18日(水)10時32分

1月17日、米ゼネラル・モーターズ(GM)は、米国内工場に新たに10億ドルを投じ、これまでサプライヤーが手掛けていた部品生産の一部をメキシコから国内に移管する方針を発表した。写真はメキシコ・コアウイラ州の同社工場で4日撮影(2017年 ロイター/Daniel Becerril)

 米ゼネラル・モーターズ(GM)は17日、米国内工場に新たに10億ドルを投じ、これまでサプライヤーが手掛けていた部品生産の一部をメキシコから国内に移管する方針を発表した。

 昨年発表した29億ドルの投資計画への追加投資となる。

 新たな投資によって、1500人の雇用が創出、もしくは維持されるという。

 また、これまでメキシコで行われていた作業を含め、次世代フルサイズ・ピックアップトラック向けの車軸生産をミシガン州の工場に移管することで、米国内で450人の雇用を創出する。

 車軸はこれまで、米自動車部品メーカーのアメリカン・アクスル・アンド・マニュファクチャリング・ホールディングズが生産を行っていた。

 トランプ次期米大統領は3日、GMがメキシコで「シボレー・クルーズ」を生産していることを批判し、「多額の国境税」を課すと警告していた。

 GMの広報担当は、今後2~3年で米国内であらたに7000人の雇用を創出する計画とした。これら一環の計画は長らく検討されていたとしたうえで、「発表するには最適の時期」と語った。

 7000人には、車軸生産の450人と10億ドルの追加投資によって創出・維持される1500人に加え、エンジニアリングや最新技術、GMファイナンシャル向けの5000人強の雇用が含まれる。

 トランプ氏はこの日、GMに直接言及しなかったものの、ツイッターで自身の取り組みで多くの雇用や自動車工場が米国に回帰していることを指摘し、「人々は偉業を目にしている」とつぶやいた。

 ただ、米工場への投資と同時に、GMはレイオフ計画も発表している。今後数カ月で国内工場で約3300人の従業員をレイオフする方針。

[ワシントン 17日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

鉄鋼関税、2倍の50%に引き上げへ トランプ米大統

ビジネス

アングル:トランプ関税、世界主要企業の負担総額34

ワールド

トランプ米大統領、日鉄とUSスチールの「パートナー

ワールド

マスク氏、政府職を離れても「トランプ氏の側近」 退
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
  • 4
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 6
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中