最新記事

アメリカ社会

公立学校で自ら望む性別によるトイレ使用を認めたオバマ政権の指針、地裁が差し止め

2016年8月23日(火)18時12分

8月22日、オバマ米政権が、公立学校に通うトランスジェンダー(心と身体の性が一致しない人)に本人の望む性別でのトイレ使用を認めるべきだと通達したのに対し、13州がこれに異議を申し立てた問題で、米テキサス州北部地区の連邦地裁は21日、差し止めを認める決定を下した。 写真はフィラデルフィアで6月撮影(2016年 ロイター/Shannon Stapleton)

 オバマ米政権が、公立学校に通うトランスジェンダー(心と身体の性が一致しない人)に本人の望む性別でのトイレ使用を認めるべきだと通達したのに対し、13州がこれに異議を申し立てた問題で、米テキサス州北部地区の連邦地裁は21日、差し止めを認める決定を下した。

 同地裁のリード・オコナー判事は13州の主張を認め、全国的な差し止め命令を出した。テキサス州の大半で22日から学校の新年度が始まるのを前に、政府が通達したガイドラインに待ったをかける格好となった。

 オコナー判事は、政府が事前に各州に十分な通知を行わず、意見を述べる機会を与えなかったと認定した。また、ガイドラインには法的効力があり、既存の法律や規制と矛盾しているとの見解を示した。

 米司法省は声明で、この決定に失望していると表明し、今後の選択肢を検討していると述べた。法律専門家は司法省が控訴するとみている。

 司法省と教育省は今年5月、公立学校に通うトランスジェンダーの生徒がトイレやロッカーなどの施設を、出生時の性別ではなく、本人の認識する性別に従って使用することを認めなければならないと通達していた。このガイドラインに対し、テキサス州を中心に13州が異議を唱えて提訴した。

 司法省はガイドラインに法的拘束力はないとの立場だが、従わない州に対しては連邦政府からの教育補助金が抑えられる可能性がある。

 下級裁判所ではこれまで、差別防止関連法をトランスジェンダーに適用すべきかどうかをめぐって解釈が分かれており、最終判断は連邦最高裁まで持ち込まれる可能性がある。

[オースチン(米テキサス州) 22日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ミネソタ州に兵士1500人派遣も、国防総省が準備命

ワールド

EUとメルコスルがFTAに署名、25年間にわたる交

ワールド

トランプ氏、各国に10億ドル拠出要求 新国際機関構

ワールド

米政権、ベネズエラ内相と接触 マドゥロ氏拘束前から
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 2
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で国境問題が再燃
  • 3
    DNAが「全て」ではなかった...親の「後天的な特徴」も子に受け継がれ、体質や発症リスクに影響 群馬大グループが発表
  • 4
    シャーロット英王女、「カリスマ的な貫禄」を見せつ…
  • 5
    AIがついに人類に「牙をむいた」...中国系組織の「サ…
  • 6
    「リラックス」は体を壊す...ケガを防ぐ「しなやかな…
  • 7
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 8
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 9
    中国ネトウヨが「盗賊」と呼んだ大英博物館に感謝し…
  • 10
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 6
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 7
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 8
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 9
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 10
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中