最新記事

ブラジル

ルセフ大統領弾劾をブラジル下院が承認、上院で審議へ

2014年の再選を有利にするために予算を不正執行した疑い

2016年4月18日(月)19時17分

4月17日、ブラジル下院で行われたルセフ大統領の弾劾手続きをめぐる投票は、賛成が342票に達し可決された。写真はブラジリアで15日撮影(2016年 ロイター/Ueslei Marcelino)

 ブラジル下院で17日行われたルセフ大統領の弾劾の是非をめぐる採決は、全513議員のうち、賛成が3分の2以上に達したことから、可決された。下院での承認を受けて、弾劾審議は上院に移る。

 ルセフ大統領は、2014年の再選を有利にしようと予算を不正執行した疑惑が持たれ、議会で弾劾の手続きが進んでいる。

 今後上院で過半数が弾劾に賛成すれば、ルセフ大統領は職務停止となり、その間テメル副大統領が職務を代行する。ルセフ大統領に有罪判決が下されれば、同大統領の2018年の任期までテメル副大統領が後任を務める。

 ワグネル官房長官は、上院は弾劾手続きを否決すると確信している、と語った。

 弾劾賛成派と反対派はこの日、国内各地でデモを行った。また、多くの人々は、サッカーの試合を観戦するように、バーやレストラン、家庭のテレビ、あるいは街中に設置された大画面で、議会での採決の様子を見守った。

 下院での弾劾承認を受け、ブラジルのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は、340.7ベーシスポイント(bp)に低下し、昨年8月以来の低水準に近づいた。

 また、10年物のブラジル国債と米国債の利回り格差は、15日の4.42%ポイントから4.315%ポイントに縮小した。。

 

[ブラジリア/サンパウロ 17日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ氏、次期FRB議長にウォーシュ氏かハセット

ビジネス

アングル:トランプ関税が生んだ新潮流、中国企業がベ

ワールド

アングル:米国などからトップ研究者誘致へ、カナダが

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、方向感欠く取引 来週の日銀
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナの選択肢は「一つ」
  • 4
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 5
    【揺らぐ中国、攻めの高市】柯隆氏「台湾騒動は高市…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 8
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 9
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 7
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 8
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 9
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中