最新記事

地震

熊本で未明にM7.3など九州で強い地震続く、死者35人に

16日未明の最大震度7、マグニチュード6.5の地震が本震、阪神淡路大震災と同規模

2016年4月16日(土)20時50分

4月16日未明、熊本市付近を震源とするマグニチュード(M)7.3の地震が発生した。写真は15日早朝、倒壊した住宅から救出された生後8か月の赤ちゃん。熊本県警提供(2016年 ロイター)

 14日夜から強い地震が続く九州地方で16日未明、熊本県を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生した。建物の倒壊やトンネルの崩落、土砂崩れによる生き埋めなど広範囲で被害が出ており、政府によると16日未明以降の死者は26人、14日以降の死者は計35人となった。大分県を震源とする地震も観測。政府は自衛隊などの追加派遣を決めるとともに、米軍の支援を受け入れる検討に入った。

阪神大震災と同規模

 気象庁によると、16日午前1時25分ごろ、熊本地方を震源とする強い地震が発生した。最大震度は熊本市内の東区や西区、菊池市などで6強を観測した。14日夜に起きた最大震度7、マグニチュード6.5の地震よりも規模が大きく、同庁は会見で「今回の地震が14日以降発生した地震の本震と考えられる」とした。マグニチュード7.3は1995年の阪神・淡路大震災と同じ規模。

 16日午前1時44分ごろにも震度6弱の揺れを観測するなど、その後も熊本県の熊本地方と阿蘇地方では地震が多発、さらに大分県西部と中部を震源とする地震も起きている。大分県由布市では午前7時過ぎに震度5弱の揺れを観測した。道路や家屋、トンネルが崩れて生き埋めや閉じ込めが発生しているほか、午前9時48分ごろに熊本地方で起きた地震では熊本城の石垣の一部が崩れた。

 気象庁は「引き続き最大震度6弱の余震が1週間程度は考えられる」と警戒を呼びかけている。16日夜から17日にかけ、九州北部で大荒れの天気になる恐れがあるとしている。

 安倍晋三首相は正午前に開いた非常災害対策本部会合で、「今夜から雨、風ともに天候の悪化が予想され、土砂崩れなど2次被害も懸念される。この日中が勝負だ」と述べ、救出活動と被災者の支援に全力を尽くすよう指示した。

 NHKによると、熊本県と大分県では震度3以上の地震が16日午前11までに69回発生。NHKは警察などの情報として、熊本県内で16日未明以降の死者は28人、14日以降の死者は計37人になったと伝えた。16日夕方に会見した菅義偉官房長官によると、政府はこれまでに死者35人、熊本県を中心に重傷者190人、軽傷者807人を確認した。

 救助や生活支援で2000人が派遣されていた自衛隊は、16日中に1万5000人に、17日以降はおよそ2万5000人に体制を増強する。警察も全国から1000人を追加派遣して2800人体制に、消防も1338人体制を倍増する。米軍も支援の用意があるとしており、中谷元防衛相は受け入れの検討を指示した。

阿蘇山が小規模噴火

 共同通信によると、熊本空港のターミナルビルの天井の一部が崩落。同ビルは16日いっぱい閉鎖され、同空港を発着する便は全て欠航となった。阿蘇山で小規模な噴火も確認されたが、気象庁は地震との関連は不明としている。

 さらに熊本県西原村の大切畑ダムの堤防から大量に水が漏れているとして、同村は約300世帯に避難指示を出した。決壊はしていないという。同県南阿蘇村では土砂崩れで孤立した地区があり、自衛隊や消防などが救出に当たっている。国の重要文化財である阿蘇神社の楼門も、拝殿とともに倒壊した。

 ホンダ <7267.T>や三菱電機<6503.T>など大手メーカーは、14日夜の地震直後から熊本県内の工場を停止。ソニー<6758.T>は熊本工場に加え、長崎工場の稼働も一部で取りやめた。

 原子力規制員会は、全国で唯一稼働中の川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)、停止中の玄海原発(佐賀県東松浦郡)と伊方原発(愛媛県西宇和郡)に異常は確認されていないと発表した。

 
(久保信博 取材協力:竹中清、白木真紀、山崎牧子、浜田健太郎 編集:田巻一彦)

[東京 16日 ロイター]

120x28 Reuters.gif
Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ミネソタ州に兵士1500人派遣も、国防総省が準備命

ワールド

EUとメルコスルがFTAに署名、25年間にわたる交

ワールド

トランプ氏、各国に10億ドル拠出要求 新国際機関構

ワールド

米政権、ベネズエラ内相と接触 マドゥロ氏拘束前から
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 2
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で国境問題が再燃
  • 3
    DNAが「全て」ではなかった...親の「後天的な特徴」も子に受け継がれ、体質や発症リスクに影響 群馬大グループが発表
  • 4
    シャーロット英王女、「カリスマ的な貫禄」を見せつ…
  • 5
    AIがついに人類に「牙をむいた」...中国系組織の「サ…
  • 6
    「リラックス」は体を壊す...ケガを防ぐ「しなやかな…
  • 7
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 8
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 9
    中国ネトウヨが「盗賊」と呼んだ大英博物館に感謝し…
  • 10
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 6
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 7
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 8
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 9
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 10
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中