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アメリカ社会

シリア難民を拒否する米法案の巧妙な中身

2015年11月26日(木)13時14分
ジム・ニューウェル

 SAFE法案は今後、上院で審議される。採決となった場合には、ハリー・リード上院院内総務(民主党)の予想を裏切って定数100のうち賛成票が60を超える可能性もある。いずれにせよ、シリアやイラクからの難民や移民に冷静に対応しよう、という政府の呼び掛けが功を奏していないことは確かだ。

 民主党の上院議員たちはSAFE法案に反対するかもしれないが、それでも代替案は提案している。人々の不安を和らげるため、何らかの手だては必要との認識からだ。ダイアン・ファインスタイン議員とジェフ・フレーク議員は、「過去5年以内にシリアかイラクで一定期間を過ごした」ヨーロッパ市民にはビザ免除措置を認めないとする法案を提出した。

 紛争地帯を逃れてきた難民たちの入国を阻むような過剰反応は、アメリカ国民の「本質」ではないとオバマは主張している。だが今のアメリカを見る限り、どうやらそれが私たちの本質のようだ。

© 2015, Slate

[2015年12月 1日号掲載]

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