最新記事

テロ

イスラム過激派ISISが犯行声明、127人死亡のパリ同時多発攻撃

シリアやイラクでISISへの空爆に参加しているフランスを標的に

2015年11月15日(日)08時33分

11月14日、過激派組織「イスラム国」は、フランスの首都パリで発生した同時多発攻撃について犯行声明を出した。写真は襲撃を受けたレストラン前で犠牲者を追悼する男性(2015年 ロイター/Christian Hartman)

 過激派組織「イスラム国」は14日、フランスの首都パリで発生した同時多発攻撃について犯行声明を出した。パリ中心部の各地に爆弾ベルトを身に着けたり、マシンガンを携帯したりした戦闘員を送り込んだとしている。

 イスラム国は声明で、今回の攻撃について、フランスが現在の政策を続ける限り、最大の標的であり続けることを示すためだと表明した。

 フランスは米国とともに、シリアやイラクで過激派組織「イスラム国」への空爆に参加している。

 少なくとも127人が死亡した同事件について、オランド仏大統領は同日、イスラム国がフランス国内の支援を得て組織した「戦争行為」だと非難、「戦争に直面し、フランスは適切な行動を取らなければならない」と語った。

 同大統領はまた、犠牲者を追悼するため国を挙げて3日間、喪に服すと述べた。

 パリで13日夜、銃撃や爆弾などによるレストラン、コンサートホール、スタジアムなどへの複数の襲撃が市内各地でほぼ同時に発生。

 当局によると、パリ中心部のバタクラン劇場では、ロックコンサートの最中に4人が観客に向かって銃を乱射、少なくとも87人が死亡した。その後治安部隊に制圧されたという。

 このほか5カ所が攻撃され40人程度が死亡したという。このうちオランド大統領や独外相が観戦して独仏親善試合が行われていたサッカースタジアムの外では2人での自爆攻撃とみられる爆発があった。

 パリ検事当局によると、容疑者8人が死亡、うち7人は自爆、1人は警察に射殺されたという。逃亡中の犯人がいるかどうかは明らかにしていない。警察は「テロリストは、(コンサートホールに)押し入る前に複数のレストランのテラス席に向かって銃撃した」としている。

 オランド大統領はフランス全土に非常事態を宣言、国境を封鎖した。

 乱射が起きたホールでは米カリフォルニアのロックグループ、イーグルス・オブ・デス・メタルのコンサートが開かれていたが、目撃者によると犯人はイスラム教の唱えとフランスのシリア空爆への参加を非難するスローガンを叫んでいたという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

再送-〔アングル〕日銀、柔軟な政策対応の局面 米関

ビジネス

3月完全失業率は2.5%に悪化、有効求人倍率1.2

ビジネス

トランプ氏一族企業のステーブルコイン、アブダビMG

ワールド

EU、対米貿易関係改善へ500億ユーロの輸入増も─
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 7
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 8
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 9
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 10
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中