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米安全保障

ISISの報復は米本土へのテロ攻撃か

2014年8月27日(水)14時59分
ジーン・マッケンジー

 CBSニュースの安全保障担当アナリストを務めるマイク・モレル元CIA長官代理は番組でこう指摘した。「悩ましい問題だ。アメリカがイラク政府への支援を明確にすればするほど、テロの標的になりやすくなる」

 ところで、アメリカの防御策は万全なのか。9・11テロ以降、米政府は7700億ドル以上ともいわれるテロ対策費をつぎ込み、国土安全保障省と運輸保安局を創設。いわゆる愛国法(テロ対策法)を成立させた。同法は安全保障の名の下に、事実上あらゆる個人情報の収集を政府に認めるものだ。おかげで数十件のテロ攻撃を未然に防げたと、当局者は主張している。

 一方で政府のやり過ぎを問題視する声もある。リベラル派は愛国法の成立当初から猛反発してきた。確かに徹底した監視活動や空港での検査、市民に通報を呼び掛ける標語には、過激派以外もいら立ちを覚える。それでも多くの国民は、やむを得ずテロ対策の強化を支持してきた。

 今月初め、ツイッターでイスラム過激派への支持をつぶやいたアメリカ人の男が銃火器の所持を理由にニューヨークの空港で逮捕された。CNNは、「海外旅行帰りの男性、ISIS支持の容疑で逮捕」と報じた。
確かにISISのような組織への支持表明は、愚かで不道徳な行為だ。今では、それだけで逮捕される可能性もある。

From GlobalPost.com特約

[2014年8月26日号掲載]

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