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ウクライナ

ロシア介入で緊張する中東欧事情

2014年3月4日(火)15時21分
ジェーソン・オーバードーフ

 他の国の反応はもっと控えめだ。ロシアの侵攻を受けて、チェコは原子力発電所の拡張工事の入札でロシアのアトムストロイエクスポルトが率いる企業連合ではなく、米ウェスティングハウス・エレクトリックを選ぶ可能性があるだろう――チェコの国防相がそう述べて事実上の脅しをかけると、ボフスラフ・ソボトカ首相は発言の火消しに回った。「今回の危機を理由に、ロシアとのすべての通商関係を取り消すことは考えられない」

 ロシアの経済支援に大幅に頼るハンガリーでは、オルバン・ビクトル首相が「ハンガリーは対立に加わらない」と明言。4月に議会選を控えていることもあり、争いから身を引くことを選んだ。オルバンはさらに、ハンガリー政府は国民が戦火に巻き込まれないよう取り組んでいると強調した。

 しかし投資家たちは不安を募らせている。欧州市場を中心に株価は下落。3日のドイツ株式指数(DAX)の終値は前週末比で3.44%安となった。ポーランドのワルシャワ証券取引所は5%以上の下げとなり、上場しているウクライナ企業に限っていえば16%も株価を下げた。

From GlobalPost.com特約

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