最新記事

永世中立

ハイジャックで露呈したスイス軍の体たらく

自分の国は自分で守る、はずの永世中立国スイスにハイジャック機が着陸したが……

2014年3月4日(火)13時45分
ジョシュア・キーティング

役所並み スイス空軍の活動時間は平日の日中のみ Michael Buholzer-Reuters

 スイスが「武装した永世中立国」として国際社会で承認されてから間もなく200年。国民皆兵制を備え、ライフルを持ち歩く市民も珍しくないアルプスの小国は今や、強大な軍事力を持つ防衛大国として一目置かれる存在となっている。

 だが先週、そんなスイスのイメージを大きく揺るがす事件が発生した。

 エチオピアの首都アディスアベバからローマに向かっていたエチオピア航空機が副操縦士にハイジャックされ、スイスのジュネーブ国際空港に緊急着陸。イタリアとフランスの戦闘機が緊急出動して同空港まで誘導したが、スイス軍の戦闘機は姿を見せなかった。

 スイス空軍によれば、理由は業務時間外だったから。事件が起きたのは早朝だったが、空軍の活動は午前8時〜正午と午後1時半〜5時に限られているという。「夜間と週末は空軍基地が閉鎖されるため出動できない」と、空軍の広報官ローレン・サバリーは語る。「予算と人員の問題だ」

 スイスに侵攻したければ、夜間や週末、ランチタイムが狙い目かも。

© 2014, Slate

[2014年3月 4日号掲載]

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

豪、中国軍機の照明弾投下に抗議 南シナ海哨戒中に「

ワールド

ルーブル美術館強盗、仏国内で批判 政府が警備巡り緊

ビジネス

米韓の通貨スワップ協議せず、貿易合意に不適切=韓国

ワールド

自民と維新、連立政権樹立で正式合意 あす「高市首相
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 6
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心…
  • 7
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みん…
  • 8
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 9
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 10
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 5
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 8
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中