最新記事

検証

3.11と9.11──二つの悲劇、失われた転機

東日本大震災から半年、同時テロから10年──アメリカを戦争に駆り立てた「恐怖」の物語と日本を緩慢な日常に引き戻した「美談」の氾濫

2011年9月12日(月)14時54分
横田 孝(本誌編集長/国際版東京特派員)
森田浩之(ジャーナリスト、元本誌副編集長)

消えない記憶 瓦礫に覆われた大震災の被災地(左)と、同時テロの標的となり倒壊する世界貿易センタービル(右)の光景は、今も人々の心に刻まれている Reuters (2)

 東日本大震災は、「3.11」という日付で多くの日本人の心に刻まれている。2001年にアメリカで起きた同時多発テロの「9.11」と呼応するかのように。

 いくつもの町が津波にのみ込まれ、想像を絶する破壊の光景に誰もが言葉を失った3月11日は、アメリカの資本主義と安全保障の象徴に旅客機が突っ込んだ同時多発テロと同等の、もしくはそれ以上の恐怖と緊張をもたらした。憎悪によるテロ攻撃と理不尽な自然災害は本質的に違う。それでも東日本大震災を「日本にとっての9.11」と受け止めた人も少なくなかったはずだ。

 ただし、11日という日付が同じだという理由だけで「3.11」と呼ばれているわけではないだろう。...本文続く

──ここから先は9月7日発売の『ニューズウィーク日本版』 2011年9月14日号をご覧ください。
<デジタル版のご購入はこちら
<定期購読のお申し込みはこちら
 または書店、駅売店にてお求めください

この記事は9月14日号のカバー特集「3.11と9.11」に収録したものです。米同時多発テロから10年、東日本大震災から半年経った今、二つの悲劇で何が変わったかを検証します。
<9月14日号の目次はこちら

[2011年9月14日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

パレスチナ国家承認、米国民の6割支持=ロイター/イ

ワールド

潜水艦の次世代動力、原子力含め「あらゆる選択肢排除

ビジネス

中国債券市場で外国人の比率低下、保有5カ月連続減 

ワールド

台湾、米国との軍事協力を段階的拡大へ 相互訪問・演
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    米軍、B-1B爆撃機4機を日本に展開──中国・ロシア・北…
  • 7
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 8
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 9
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 10
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 8
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 9
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 10
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中