最新記事

性犯罪

レイプ大国オーストラリアの新事実

女子大生の6人に1人がレイプされた経験があるという調査結果が示すもの

2011年6月14日(火)14時58分

顔見知りにご用心 被害女性の友人や顔見知りが加害者であるケースが多い

 女子大生のうち約6人に1人はレイプされた経験がある----オーストラリアで、そんな衝撃的な調査結果が発表された。レイプ未遂の経験を加えると、その割合はさらに12%増すという。

 全国学生組合は6月10日、オーストラリア国内の大学生の性暴力被害に関する調査結果を公表。一般に認識されているより、性暴力事件が多く起きていることが分かった。

 この調査は女子大生1500人以上を対象にしたもので、うち17%がレイプされた経験があるとAFP通信は伝えている。さらに、調査対象者の3人に2人は「望まない性的経験」の過去があるという。被害に遭った時期については、大学入学後とは限らない。

被害を届け出たのはわずか2%

 学生組合の女性問題担当スタッフ、コートニー・スローンは、レイプが下流層だけの問題ではないことを調査結果は示している、とシドニー・モーニング・ヘラルド紙に語っている。「大学に通う女性は中流階級や上流階級の人たち。そうした女性でも性的な暴力や嫌がらせ、脅迫を受けることが多いことが分かる」

 シドニー・モーニング・ヘラルドによれば、加害者は友人や顔見知りである場合が多いという。被害事例のうち、22%は恋人によるものだった。ただし、こうした被害が警察に届けられたケースは2%しかなかった。

 被害の実態はこれまで考えられていたより深刻だ。05年にオーストラリア統計局が発表した個人安全調査では、15歳以上の女性のうち19%が性的暴力を受けた経験があるとの結果が出ていた。


GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏の出生権主義見直し、地裁が再び差し止め 

ワールド

米国務長官、ASEAN地域の重要性強調 関税攻勢の

ワールド

英仏、核抑止力で「歴史的」連携 首脳が合意

ビジネス

米エヌビディア時価総額、終値ベースで4兆ドル突破
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 5
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 6
    アメリカの保守派はどうして温暖化理論を信じないの…
  • 7
    犯罪者に狙われる家の「共通点」とは? 広域強盗事…
  • 8
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 9
    【クイズ】日本から密輸?...鎮痛剤「フェンタニル」…
  • 10
    昼寝中のはずが...モニターが映し出した赤ちゃんの「…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 10
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中