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意外に進んだ?北朝鮮ネット事情

北朝鮮がフェースブックとツイッターにアカウントを開設したと話題になったが、その国内では人民のネットアクセスを厳しく制限する一方で、携帯電話や光ファイバーといった情報インフラが少しずつ整い始めている

2010年8月27日(金)16時41分
ジョシュア・キーティング(フォーリン・ポリシー誌編集者)

ネット鎖国 金正日(右)と金日成(キム・イルソン)の写真が飾られた平壌の総合学習施設「人民大学習堂」でパソコンに向かう男性(07年8月) Reinhard Krause-Reuters

 今週のネットは北朝鮮政府がフェースブックやツイッターのアカウントを開設したというニュースで騒がしかった。結局このアカウントは北朝鮮政府そのものではなく、金正日(キム・ジョンイル)体制の国外支持者たちが設定したものだと判明したが、このニュースはある疑問への興味をかき立てた。

 鎖国状態にある北朝鮮はどうやってネット世界と交信するのか? そもそも北朝鮮人民はインターネットにアクセスできるのか?

 北朝鮮にはわずかだがインターネットへのアクセスを認められている人々が存在する。だがそのほとんどが政府の役人。民間のプロバイダーがないため、ネットにアクセスするには特別の電話回線でダイヤルアップ接続するか、衛星回線を利用した携帯電話を使うのが一般的だ。北朝鮮では約2万人が携帯電話を持っているが、そのほとんどがインターネットへのアクセスを禁じられている。

「スターリンが運営するウィキペディア」

 北朝鮮は00年以降、ダイヤルアップ接続経由で「光明(クァンミョン)」と呼ばれるイントラネットを利用してきた。利用できるのは電子メールや検索エンジンのほか、政府の厳格な監視下で開設されたウェブサイト、全世界のネット情報から厳選して選ばれたコンテンツがいくつか。

 このイントラネットは建前上は全国民に開放されている。だが自宅でパソコンを所有する国民が全くと言っていいほどいないので、利用できるのはおおむね学術情報の収集を目的にした大学生や教員に限られている。スターリン政権が運営するウィキペディア----北朝鮮のイントラネットは言ってみればそんなイメージだ。

 法を犯してネットへのアクセスを試みることは極めて危険で、収容所で長期の労働教化刑を覚悟しなければならない。それでも中朝国境付近では携帯電話が急速に普及していて、中国にニュースや映像も送れるようになってきた。昨年11月に北朝鮮でデノミが実施されパニックや暴動が起きたというニュースがすぐ国外に伝わったのもこのおかげだった(以前なら5年はかかっただろう)。携帯で撮影された映像も、これまで伝えられてこなかった北朝鮮の人々の暮らしぶりや人権侵害の現状を国外に伝えるのに役立ってきた。

光ファイバー設置でブロードバンドも可能に

 北朝鮮が欧米に対してサイバー攻撃を仕掛けようとハッカーを育てている、という報道も最近あるが、これはやや大げさかもしれない。

 北朝鮮政府は一握りの外部向けウェブサイトを運営している。政府の監督下にあるが、実際には日本で管理されているニュース・プロパガンダサイト「朝鮮中央通信」がそうだ。90年代初頭のような古くさいデザインの政府公式サイトはスペインにサーバーを置いている。

 北朝鮮は長年にわたるロビー活動の結果、07年にようやく国別ドメインコード「.kp」を取得したが、これまでのところ一握りのサイトしかこのコードには登録していない。このドメインコードを管理しているのがドイツに本部を置く組織だというのも奇妙な話だ。

 光ファイバーケーブルが中国から北朝鮮に敷かれたとの報道もある。つまり北朝鮮人民の中にはブロードバンド通信網にアクセスできる者も出てきている、ということだ。アクセス権は海外情報を分析する外務省と金正日の側近グループに限られるとみてほぼ間違いないだろう。

「将軍様」もネットサーフィンにご執心で(かつて訪朝したオルブライト元米国務長官にメールアドレスを聞いたこともあるとされる)、自称「インターネット専門家」らしい。

Reprinted with permission from "FP Passport", 27/08/2010. ©2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.

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