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武装勢力

パキスタンに芽吹く新タリバン

2009年10月30日(金)12時55分
ハイデル・アリ・フセイン・ムリック(米軍統合特殊戦大学上級研究員)

いち早く新芽を摘み取れ

 この状況に立ち向かうため、パキスタン政府は最近、警察官の給与を2倍に引き上げ、テロ対策法規を改正して、警察と裁判所に今まで以上の権限を与えることにした。最高裁判所は司法改革に着手し、タリバン法廷に負けない裁判制度を確立しようとしている。

 今後、パキスタンは情報の共有や科学捜査の面で、情報機関相互の協力体制をきちんと整備する必要もある。

 アメリカは、パキスタン警察への支援を強化すべきであり、米軍の治安部隊訓練要員を現地に派遣すべきだ(イラクやアフガニスタンでは、これが成功を収めた)。

 アメリカとパキスタンの合同プランでは、1万人の警察官から成る治安部隊を送って北部を「維持する」ことになっている。だが、中部と南部にもさらに4万人の警察官を送り込む必要がある。

 勝機を逃してはいけない。今のうちに治安部隊を送り込んで、生まれたばかりのタリバン新勢力の芽を摘み取るべきだ。

[2009年9月30日号掲載]

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