最新記事

米政治

大本命ヒラリーを襲う個人メールという爆弾

2年以上も尾を引くメール問題でFBI捜査に協力するという方針転換へ

2015年9月7日(月)16時30分
スーナク・ムコパジャイ、テイラー・ウォフォード

前途多難 国務長官時代の問題がくすぶり続け、好感度にも影響が出始めている Brian Snyder-REUTERS

 アメリカ初の女性大統領誕生に向けてひた走る、ヒラリー・クリントン前国務長官。民主党の最有力候補の座は揺るぎないが、その選挙活動は順風満帆とは言い難い。最大の障害が、2年以上にわたり尾を引いている個人メール問題だ。

 09~13年の国務長官時代に、政府のアカウントではなく個人のメールアカウントを公務に使用していたヒラリー。これが連邦規定に違反するのではないかという批判が絶えない。

 ヒラリーの個人用メールアドレスの存在と、そのアドレスでやりとりされた内容がルーマニア人ハッカーの手で暴露されたのは13年3月のこと。国務長官だったヒラリーが個人用アドレスで、長年の盟友で補佐官のシドニー・ブルーメンソルからのメールを受け取っていたと報じられた。メールの内容は、12年にリビアのベンガジで起きたイスラム武装組織による米領事館襲撃事件に関するものだった。

 暴露から2年が過ぎた今年3月。今度はニューヨーク・タイムズ紙が、ヒラリーの個人メールアドレスを使った公務執行は、連邦政府の規定違反に当たるのではないかと報じた。

 1950年の連邦記録法により、すべての連邦職員には通信内容を公文書記録として保管することが義務付けられている。国務長官も例外ではない。昨年には、個人メールのデータを20日以内に政府のサーバーに移すという内容も追加された。だがこの法改正はヒラリーが国務省を辞した後のことだから、今回の件には当てはまらないと、彼女の弁護士は言う。

 ヒラリーの広報担当も法律違反ではないと主張。ヒラリーは公務の際、国務省職員の政府アカウントに宛ててメールを送っており、それらのデータは国務省に保存されている、だから国務長官当時の連邦記録法の要件を満たしているとの論法だ。

疑念払拭への最終手段

 ニューヨーク・タイムズの報道が出た後、ヒラリーはメール送受信用に2つも端末を持ち歩きたくなかったから自宅に個人用メールサーバーを立ち上げたと語った。公務に関する3万490件のメールを国務省に提出し、休暇やヨガなどに関する私用メール3万1830件を削除したとも述べた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アンソロピック、AI軍事利用の制限緩和しない意向=

ワールド

米国務省、ロシア攻撃で米の利益損なわないよう警告 

ビジネス

ワーナー、パラマウントと交渉へ 1株31ドルの新提

ビジネス

FRB当局者2人、当面の金利据え置き示唆 現行策「
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    3頭のクマがスキー客を猛追...ゲレンデで撮影された…
  • 5
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    「IKEAも動いた...」ネグレクトされた子猿パンチと「…
  • 8
    「極めて危険」──ゼレンスキー、ロシアにおける北朝…
  • 9
    IMF、日本政府に消費減税を避けるよう要請...「財政…
  • 10
    武士はロマンで戦ったわけではない...命を懸けた「損…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 5
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 9
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 10
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中