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米政治

大本命ヒラリーを襲う個人メールという爆弾

2015年9月7日(月)16時30分
スーナク・ムコパジャイ、テイラー・ウォフォード

 それでも、彼女が提出していない公務や機密情報関連のメールがあるのではないかという疑念は晴れない。6月に入り、ヒラリーの提出したメールのデータと、ブルーメンソルが別途提出したデータの間の矛盾が発覚。少なくとも15通の行方が分からないままとなっている。

 当然ながら、共和党の対抗馬たちはヒラリーのメール問題を突いてくる。共和党の大統領候補のうち世論調査で支持率トップを走る不動産王ドナルド・トランプは、「ヒラリーが罪を犯した」とバッサリ。国家への反逆者とされる元CIA(米中央情報局)職員のエドワード・スノーデンと彼女を対比する者もいる。

 ヒラリーはついに先週、この問題を捜査しているFBI(米連邦捜査局)に協力するため、個人用メールサーバーとメールデータを保存したUSBメモリーを司法省に提出した。これまでの姿勢を一転したのだが、有権者が抱き始めた不信感を増幅させる結果になるかもしれない。

 個人用メールで機密情報を受け取っていた──ヒラリーが何度も否定してきた疑念が立証されれば、打撃はさらに大きくなるだろう。

[2015年8月25日号掲載]

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