アングル:イラン戦争でインフレ再燃、トランプ政権に逆風 中間選挙に暗雲
米メリーランド州のアンドリュース統合基地で報道陣に対応するトランプ米大統領。10日撮影。REUTERS/Evelyn Hockstein
Nandita Bose
[ワシントンン 10日 ロイター] - 2月末に始まったイラン戦争による原油の供給混乱により、ガソリン価格が記録的な高値をつける中、米国民はかつてないほどに経済に失望している。
インフレ高止まりはトランプ大統領の政治的リスクを一段と悪化させており、政権関係者の間には、トランプ氏がイランとの戦争にばかり気を取られ、有権者の生活費問題への関心を失っているのではないかと懸念する声も聞かれる。
10日発表された米消費者物価指数(CPI)は前月比で4年ぶりの大幅な伸びを記録した。ガソリン価格は21.2%と大幅に上昇し、月間上昇率の約4分の3を占めた。
中間選挙を約7カ月後に控える中、ホワイトハウス内部にも政治的な緊張をもたらしており、ワイルズ大統領首席補佐官はじめとする一部の政権高官は、インフレ抑制への取り組みが不十分であることにますます危機感を強めている。
ホワイトハウス当局者は今週、匿名を条件にロイターに対し、ワイルズ氏が戦争による経済的・政治的な悪影響についてより明確に発言するよう顧問らに個人的に促していると語った。
インフレ高進と並行する形で、経済に対する家計の信頼感も悪化し、米ミシガン大学が発表した4月の消費者信頼感指数(速報値)は過去最低の47.6に急低下。消費者は今後12カ月でインフレ率が急上昇すると予想していることも明らかになった。
ミシガン大学の調査以外の世論調査でも、米国民がトランプ大統領の経済運営への信頼を失いつつあることが示されており、政治アナリストらは、11月の中間選挙は、議会で辛うじて維持している過半数を死守しようとする共和党にとって不利になる可能性があると指摘している。
ホワイトハウスのクシュ・デサイ報道官は10日、「トランプ大統領はエピック・フューリー作戦の結果として生じる短期的な混乱について常に明確に述べており、政権はその緩和に精力的に取り組んできた」とソーシャルメディアに投稿。「卵、牛肉、処方薬、乳製品、その他の生活必需品の価格は、トランプ大統領の政策のおかげで下落しているか、安定している」と主張した。
こうした中、エコノミストらは、イランとの合意により原油輸送の要衝であるホルムズ海峡が開放され、石油の流れが再開されない限り、エネルギーコストの高止まりがより広範なインフレ上昇につながる可能性があると懸念を示している。





