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米外交

世界の脅威に策を持たないオバマの危険なミニマリズム

2014年9月11日(木)15時26分
アフシン・モラビ(本誌コラムニスト)

 しかし親オバマ派は、彼の外交政策を擁護するために奇抜な論理を考えついた。政治評論家のピーター・バイナートはオバマの政策を「果敢なミニマリズム」と呼ぶ。オバマが本当に反撃するのは、米本土に直接の脅威がもたらされた場合だけだという。「シリアで多大な犠牲が出ても、タリバンがアフガニスタンを動揺させても、イランが核兵器を持っても構わない。オバマはアメリカ国民に危害を加えるであろう相手にだけ剣を抜く」

 アメリカの国益以外には冷淡なことで知られるリアリスト陣営の論客スティーブン・ウォルトは、オバマは武力行使を「毅然と」自制していると絶賛する。この考え方が危険なのは、アメリカが世界から手を引けば、悪の勢力がその空白を埋め、アメリカの同盟国が脅威にさらされる点だ。結局アメリカは問題解決に乗り出す羽目になり、代償はさらに大きくなる。

 第二次大戦後の安全保障は、アメリカの積極関与を前提に構築されている。アメリカが世界の平和を保てば、アメリカの繁栄につながるという考え方だ。
政治評論家のロバート・ケーガンは、オバマは国民が望んだミニマリズムの外交政策を取ったが、結局誰も喜ばなかったと指摘した。ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニスト、ロジャー・コーエンはこう書いた。「国民が求める大統領は、彼らの思いをただ受け取るのではなく、国を引っ張る人物だ」

 激動の時代である。いま必要なのは、第二次大戦後に現れたような実行力と先見性のある指導者だ。安全保障の構造や同盟関係を再構築することも重要だ。世界もアメリカも、自ら時代を形作る大統領を求めている。

 その仕事はつらく長く、痛みを伴う。ローマの屋敷で建築の話をするように高尚なものではないだろうが、自由世界の将来はそこに懸かっている。

[2014年9月16日号掲載]

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