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アマゾンの「サソリの毒」が抗がん剤に匹敵していた...「特異な分子のタンパク質」が治療のカギに?【最新研究】

A New Anticancer Weapon

2025年7月4日(金)15時50分
ルーシー・ノタラントニーオ(ライフスタイル担当)

アランテスによれば、今回は酵母の一種のピキア・パストリスが使われる。バイオテクノロジーの分野では今も広く使われている酵母だ。

ガラガラヘビ毒でも成果

野生の動植物から未知の薬効成分を見つける作業をバイオプロスペクティング(生物資源探査)と呼ぶが、ほぼ手付かずの自然が残るブラジルはこの分野に強い。

例えばサンパウロ大学の毒物・有毒動物研究センターは過去に、フィブリンシーラントと呼ばれる物質で特許を取得している。


ヘビ毒に含まれる酵素セリンプロテアーゼと、牛や羊の血液に由来し血液凝固に不可欠なタンパク質フィブリノーゲンを豊富に含む成分クリオプレシピテートを組み合わせた一種の生体接着剤で、実用化まであと一歩のところまで来ている。

これらの研究は、ブラジルで進行中の、生物学的知見と医療現場で使える治療法をつなぐプロジェクト「バイオ医薬品トランスレーショナル研究・開発センター(Center for Translational Science and Development of Biopharmaceuticals:CTS)」で行われている。

研究対象はサソリ毒だけではない。ガラガラヘビの毒を用いた研究でも成果が上がっているし、今は「CdtVEGF」という生物活性物質の開発も進んでいる。

これは血管の成長を促進する作用を持ち、組織を再生させる極めて有望な手段となる可能性が期待されている。

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