トランプやマスクが目指す「人類の火星到達」の本当の実現度...彼らが見落とす宇宙旅行の「現実」とは?

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2025年5月15日(木)17時10分
ジョシュア・レット・ミラー(本誌調査報道担当)

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クルードラゴン(写真、25年3月14日)はISS滞在が長引いていた2人を含む4人の飛行士を乗せて3月18日に帰還 NASA/AUBREY GEMIGNANI

火星への旅は「とてつもない大事業」だと、インピーは言う。「質量が増えてしまうので、好き勝手に荷物を積むわけにはいかない。質量が増えればロケット燃料のコストがかさみ、コストがかさめば計画の実現が困難になる。全てが物理に厳しい制約を受ける」

火星の有人探査が実現するのは現実的に考えて2040年前後になるとインピーはみており、これはピッツの見積もりとも重なる。


「スターシップは実に見事なロケットで、テスト打ち上げも何度か成功している。だが未知数の部分があまりに多いし、言うまでもなく、地球の軌道を離れたことは一度もない。火星ミッションでは火星に着陸し、帰還時には発射台なしで離陸しなければならない。それが可能かどうかは、全く証明されていない」

スターシップは史上最強の打ち上げロケットだ。最大150トンの物資を運ぶことができて、再利用が可能。ブースターの「スーパー・ヘビー」には、液体メタンと液体酸素を推進剤とするエンジン「ラプター」が33基搭載されている。

テスト飛行と関連インフラを含めた火星ミッションの累積コストは1兆ドル近くまでいくかもしれないと、インピーとピッツは予想する。「確実に数千億ドルはかかるだろう」と、インピーは言う。

現在69歳で『彼方へ 宇宙における私たちの未来(Beyond: Our Future in Space)』の著書がある天文学者のインピーは、「極めてハイリスクなミッション」が自分が生きているうちに実現するとは考えていない。桁外れな投資が認められるかどうかについても、懐疑的だ。

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