最新記事
宇宙

「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される

Astronomers Discover Most Distant Milky Way-like Galaxy

2025年4月21日(月)16時40分
メリッサ・フルール・アフシャー
ビッグバンから10億年でここまで? 「ジューロン銀河」が覆す宇宙の常識(画像はイメージです) Bryan Goff-Unsplash

ビッグバンから10億年でここまで? 「ジューロン銀河」が覆す宇宙の常識(画像はイメージです) Bryan Goff-Unsplash

<ビッグバンからわずか10億年後、すでに巨大で成熟した構造をもつ渦巻銀河が存在していた──天文学者が、これまでで最も遠くにある渦巻銀河の候補「ジューロン」を特定した>

宇宙空間にある数々の銀河の形成・進化過程に関するこれまでの理解を塗り替えるような発見があった。天文学者が、これまで観測された中で最も遠くにある渦巻銀河の候補を特定したのだ。これは、非常に大きく成熟した構造を持つ銀河だが、ビッグバンからわずか10億年後という非常に初期の頃に形成されたという。

中国の神話に出てくる龍の名前にちなんで、ジューロン(Zhúlóng=燭龍)と名付けられたこの銀河は、スイスのジュネーブ大学(UNIGE)が主導する国際チームにより、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)からのデータを用いて発見された。

ジューロンは非常に古い銀河だが、一方で、宇宙の年代においてはかなり後の時期にみられる銀河の特徴を示している。中央部には、古い星からなるふくらみ(バルジ)があり、その周囲に新しい星を含む扁平状の回転する部分(ディスク)も確認された。さらにその外には、はっきりとした渦を巻く腕状の部分がある。これは、私たちの地球が属する天の川銀河などの渦巻銀河の大きな特徴だ。

論文の著者で、ジュネーブ大学所属の天文学者、メンユアン・シャオは、以下のように述べた。「われわれは、この銀河をジューロンと名付けた。これは、中国の神話に出てくる、強い力を持つ赤い太陽の龍「燭龍」を意味する言葉だ。この龍が目を開くと昼になり、目を閉じると夜になる。光と宇宙的時間を象徴する存在だ」

「ジューロンが抜きん出ているのは、天の川銀河と大変よく似ているところだ。これは、形、大きさ、恒星の質量という要素に関して当てはまる」

日本企業
変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本のスタートアップ支援に乗り出した理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ドイツ銀、エプスタイン氏との決別は緩やかに 米司法

ワールド

中国とメキシコの通商担当高官が会談、関税巡る摩擦の

ワールド

中国、3月にレアアース輸出規制説明会

ワールド

再送-イタリア、難民救助船の領海進入阻止も メロー
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 5
    一体なぜ? 中国でハリー・ポッターの「あの悪役」が…
  • 6
    【独自取材】「氷上のシルクロード」を目指す中国、…
  • 7
    あなたの隣に「軍事用ヒト型ロボット」が来る日
  • 8
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 9
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 10
    まさに「灯台下暗し」...九州大学の研究チームが「大…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中