結婚ソングも失恋ソングも「オーダーメイド」 will.i.amが語るAI時代の音楽
In Harmony With AI
テイラーメイドの音楽
しかしいずれは、誰もがAIと対話して自分の曲を作れるようになる。ウィルはそう確信する。現に絵画の世界では、発注者の指示に従って作品を生み出すAIアプリが存在している。音楽でも同じことが可能なはずで、そうなれば誰もが、自分の記憶や感情をベースにした曲を作れる。
「今はみんな、(既存の作品から)自分にぴったりな失恋の歌や歓喜の歌を選び、結婚式で使いたい曲を選んでいる」が、これからはオーダーメイドの時代だとウィルは言う。「注文服に特別感があるのと同じだ。AIに頼めば唯一無二の楽曲が手に入る。それって、最高じゃないか」
次なるステップは個々の楽曲と自在に「対話」できるAIシステムだ。ウィルの会社FYIは先頃、AIを活用した対話型メディアのプラットフォームRAiDiO(レイディオ)を立ち上げた。視聴中の楽曲やオーディオブック、あるいはスポーツのライブ配信などの内容について音声で質問すれば、AIが即座に答えてくれるシステムだ。
独メルセデス・ベンツは、FYIとパートナーシップを結び、自社の高級車のうち数車種に「FYI RAiDiO」を搭載すると発表した。既にアメリカでベータ版のテストを行っており、いずれ既存の車種でも車載AIアシスタントのアップデートで同サービスの利用が可能になるという。