最新記事
AI

結婚ソングも失恋ソングも「オーダーメイド」 will.i.amが語るAI時代の音楽

In Harmony With AI

2025年4月9日(水)18時15分
アイリーン・ファルケンバーグハル

テイラーメイドの音楽

しかしいずれは、誰もがAIと対話して自分の曲を作れるようになる。ウィルはそう確信する。現に絵画の世界では、発注者の指示に従って作品を生み出すAIアプリが存在している。音楽でも同じことが可能なはずで、そうなれば誰もが、自分の記憶や感情をベースにした曲を作れる。

「今はみんな、(既存の作品から)自分にぴったりな失恋の歌や歓喜の歌を選び、結婚式で使いたい曲を選んでいる」が、これからはオーダーメイドの時代だとウィルは言う。「注文服に特別感があるのと同じだ。AIに頼めば唯一無二の楽曲が手に入る。それって、最高じゃないか」


次なるステップは個々の楽曲と自在に「対話」できるAIシステムだ。ウィルの会社FYIは先頃、AIを活用した対話型メディアのプラットフォームRAiDiO(レイディオ)を立ち上げた。視聴中の楽曲やオーディオブック、あるいはスポーツのライブ配信などの内容について音声で質問すれば、AIが即座に答えてくれるシステムだ。

独メルセデス・ベンツは、FYIとパートナーシップを結び、自社の高級車のうち数車種に「FYI RAiDiO」を搭載すると発表した。既にアメリカでベータ版のテストを行っており、いずれ既存の車種でも車載AIアシスタントのアップデートで同サービスの利用が可能になるという。


メルセデスベンツに搭載されたRAiDiO

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日銀、政策金利を現状維持:識者はこうみる

ビジネス

アルコア、第2四半期の受注は好調 関税の影響まだ見

ワールド

英シュローダー、第1四半期は98億ドル流出 中国合

ビジネス

見通し実現なら利上げ、米関税次第でシナリオは変化=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 10
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中