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「一夫一婦制」は間違い? 生物の「性的進化」研究で分かったセクシュアリティーの科学的な真実

DIVERSITY THE NORM

2025年2月28日(金)16時16分
メレディス・ウルフ・シザー(本誌記者)

モノガミーが人類の進歩に反すると言うつもりもない。そうではなく、人間はもっと選択肢を増やす方向に進化してきたのだと思う。環境が異なればシステムも異なる。そして人間は異なる環境に対応して繁栄できる。動物の世界では、性的な排他性と社会的モノガミーが併存することは珍しい。人間の祖先にもさまざまな交配スタイルがあった。今でこそモノガミーが最も一般的だが、それ以外の性的関係が本質的に不自然なわけではない。

──動物界から人間が見習うべき、あるいは避けるべき行動は?


バーバリーマカクの社会は素敵だ。平等主義で互いに協力し合い、たいていは集団で暮らす。同じく霊長類のボノボも平和的で愛情深く、性的に活発だ。ただしどちらの社会にも、ある程度の序列や対立、暴力はある。ゴリラやチンパンジーの社会はもっと攻撃的で暴力的で、人間が暮らすには向かないと思う。ただし人間は、さまざまな社会的インセンティブを通じて平和で平等な社会を築くことができる。社会環境に応じて行動を変えていく能力もある。

メンバー全員の運命が結び付いているような協力的集団で活動するときに人は最高の力を発揮する。そんな学説があるが、私も同感だ。個人の自由を認めつつも金銭的・社会的には密接に協力し合う。そんな社会が一番ハッピーだと思うね。

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