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「一夫一婦制」は間違い? 生物の「性的進化」研究で分かったセクシュアリティーの科学的な真実

DIVERSITY THE NORM

2025年2月28日(金)16時16分
メレディス・ウルフ・シザー(本誌記者)

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性行為は子孫を残すためだけでなく多様な性表現を認めるべきだと語るレンツ MICHAEL SAVITZKY

──人間のセックスやジェンダーに関する伝統的な見解に対して、あなたが今回の本で言いたかったことは何か?

何百年も前から、世の中で主流の文化は私たちのジェンダーやセクシュアリティーについて強い規制をかけてきた。それで私たちの性的ポテンシャルは狭められた。異性愛だけが自然で、一夫一婦制だけが正しい在り方で、性行為はもっぱら繁殖のためにあると、私たちは教わってきた。それ以外の多様なジェンダー表現は異常で、家族をつくる正しい方法は1つのみだとも教えられた。そのせいで生物学者も、動物の世界も同じだろうと思い込んでいた。


でも技術や観察方法の進歩によって、今は動物の世界を、そして私たち自身をもっと客観的に観察できるようになった。それでようやく、今まで見えなかったものが見えてきた。セックスもジェンダーもセクシュアリティーも、みんな私たちの知る以上に多様で創造性にあふれていた。

──そうであれば制度としてのモノガミー(一夫一婦制)は無用の長物なのだろうか?

そうは言ってない。そもそも生物学は生き物の世界を正しく記述する学問であり、ああしろこうしろと指図するものではない。それに、動物界で見られる社会的モノガミーでは、たいてい両性の平等が重視されていて、子育てへの投資を通じて両性が強く結び付いている。

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