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回収ボックスのその先で、プラスチックはどうなっている?――湘南貿易が挑む「見えるリサイクル」とは

2025年12月25日(木)16時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

キャップがつなぐ国際舞台とローカル社会

湘南貿易のプロダクト

デザイナーの感性とモノづくりの技、その共創から生まれたプロダクト ©Shiotsuki Takuya

湘南貿易は、こうしたワークショップで培ったノウハウを、イベントや地域とのコラボレーションにも広げている。

これまでに小学校や高校・大学、学生団体、福祉施設、JA横浜女性部など、多様なパートナーと連携する中で、地域での資源循環の仕組みづくりを進めてきた。

その中でも、大阪・関西万博でのプロジェクトは象徴的な事例だ。

2025年の万博で同社は、ベルギーパビリオンの公式パートナーとして飲料提供を担うとともに、マスコット「ベルベル」のキーホルダーをペットボトルキャップからアップサイクルして製作した。

ベルギー国旗の三色を再現するため、入手困難な黄色のキャップは関係機関や社内で協力して集めていったという。

「ベルベル」のストラップは、手に取りやすい500円という価格と「国際舞台で誕生したリサイクル製品」というストーリーに共感が集まり、累計1万個以上を販売するヒット商品となった。

こうした取り組みは万博に限らない。湘南国際マラソンでは、ランナーの荷物袋を回収し、翌年の袋として再生するプロジェクトを2012年から継続している。

イベントの現場で発生する資材を次回大会の資源に変えることで、「使い捨て」に依存しないスポーツイベントのあり方を模索している。

また、湘南貿易は、自社のSNSを通じてワークショップの様子やアップサイクル製品のラインナップも発信し、「リサイクルは難しいものではなく、クリエイティブで楽しいものである」というメッセージを広く届けている。

今後、湘南貿易は、これまで培ってきたネットワークと実績を基盤に、「地域ごと・店舗ごとに完結する循環モデル」の構築を目指している。

特定の地域や小売店舗、企業施設などで、回収・分別・再生・利用が一つのエコシステムとして機能する仕組みをつくり、移動距離の短縮によるCO₂の排出抑制や地域雇用の創出、福祉との連携強化、回収率の向上といった効果を高めていく考えだ。

2030年を一つの通過点として、その先の世代にも続くローカル循環社会をデザインすること。環境・教育・福祉・地域をつなぐ社会的循環モデルを現場からつくり出すこと。

湘南貿易エコロジー事業部の挑戦は、手のひらサイズのプラスチックから、私たちの社会の循環のかたちを問い直している。

◇ ◇ ◇


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どの企業も試行錯誤しながら、SDGsの取り組みをより良いものに発展させようとしています。今回の記事で取り上げた事例について、感想などありましたら下記よりお寄せください。

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