かつて日本は「移民送出国」だった...祖先を探す「海外ウチナーンチュ」を繋ぐ「図書館の可能性」
ACROSS BORDERS, OKINAWAN ROOTS SPEAK
「ほとんどの人が日本語を話せない世代なので、現地にある日本語の貴重な資料が処分されてしまう恐れがある。それは、海外に住む県系人との絆が断たれることと同義だ。各地との関係を深め、資料の保全を進める必要がある」
貴重な資料を保存すること。それは、失われゆく移民の歴史を保護するとともに、互いの国が交流する動機付けにもつながっている。
多民族が共存する社会では、自分の存在は「当たり前」ではない。先祖の努力の上に自分がいるという感謝の念が、多くの人々をルーツ探しの旅へと駆り立てている。
沖縄県立図書館のルーツ調査サービスは、図書館が地域の情報拠点にとどまらず、多様な機関と連携し、国際的な相互理解を促進するハブとなり得ることを証明した。
家族の歴史譚を探す人々にとっての道しるべになること。それは人間の尊厳を守り、公正で平和な社会を実現するという、SDGsの根幹に関わる実践だ。
POINT(SDGs室長 森田優介)
SDGsの目標16「平和と公正をすべての人に」が縁遠く思えるかもしれない日本にも、このような活動があり、救われる人がいる。日本の移民受け入れの議論の中でも、忘れてはならない視点だと思います。
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