大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
大気汚染対策のマスクを着けて橋を渡るテヘラン市民(11月27日) FATEMEH BAHRAMIーANADOLU/GETTY IMAGES
<イランの首都の大気汚染は、副大統領が「人命を奪う」と警告するほど。政治的混乱や水不足も絡み、環境ストレスが頂点に>
イランの首都テヘランでは大気汚染が急激に悪化。生命を脅かすレベルに達している。ガエムパナー副大統領はスモッグが「人命を奪うことになる」と警告。首都全域の学校や大学が閉鎖され、教育省当局者は、状況が改善しない限り閉鎖を継続すると語った。
テヘラン大気管理公社は、大気汚染が深刻なレベルにとどまっていると報告。全住民に健康注意情報を出した。最近のある報告で、テヘランは世界最悪の汚染都市と位置付けられている。
イランのこの大気汚染の緊急事態は、政治的混乱、頻発する暴動、悪化する全国的な水危機の中で起きている。危険レベルのスモッグと慢性的な水不足の組み合わせは国内の緊張を高め、環境ストレスが政治的・経済的不満に直結するケースが増えている。
問題はテヘランだけではない。大気汚染と水不足は隣接の州や、時には隣国にも影響を与える。国境を越えた環境負荷の高まりは、既に不安定化しているこの地域の政治情勢の攪乱要因になっている。
ガエムパナーの警告は、複数の都市で今年最悪レベルの大気汚染が観測され、施設閉鎖や注意喚起、緊急対策が実施されたタイミングで出された。当局者はこの警告は脅威の深刻さの反映であり、粒子状物質(PM)の濃度上昇は健康な住民にも直接的リスクをもたらしていると強調した。






