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宿泊客にサステナブルな体験を...スーパーホテルはどうやって全宿泊を「CO₂実質ゼロ泊」にできた?

2025年12月1日(月)11時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

地域と連携した新入社員研修の実施や、地域資源を活用したサービス・備品を採用


グリーンツアーにて桧葉回収している様子

グリーンツアーにて桧葉回収している様子。「グリーンツアー」は2018年に社会課題起点のビジネス創出事例を表彰する『グリーン・オーシャン大賞』にて優秀賞を受賞するなど、社会貢献型人材育成プログラムとして評価されている


実際のところ、スーパーホテルは環境への貢献だけでなく、地域資源を活用した多様な取り組みも展開してきた。地域貢献の一環として、2地域と連携している。

岐阜県東白川村との連携では、10年以上にわたって新入社員研修として「グリーンツアー」を実施。母樹林公園や林業の現場へ足を運んで持続可能な森作りについて学んだり、現地の人々とのシンポジウムを開催したりするなどしている。

グリーンツアーでの学びや経験は、観光客誘致など東白川村の課題解決に向けた提案として東白川村に共有するなど、地域に還元されている。

顧客参加型のエコツアーの実現に向けて

アロマディフューザー

スーパーホテル各店で設置しているアロマディフューザー。東白川村のヒノキから抽出した天然オイルも配合している


さらに、間伐材や収集材を活用したホテルの客室備品や風呂椅子、桶の発注や、東白川村産のヒノキを使用したヒノキアロマをスーパーホテル各店で使用するといった取り組みも展開。地域資源をホテルサービスに活用することで、産業の活性化や宿泊客への価値を創出している。

一方、宮崎県諸塚村とは包括連携協定を締結。宮崎県にあるスーパーホテルの温泉施設や朝食コーナーの家具、全国店舗の朝食コーナーの備品などに諸塚村産のFSC認証材を使用した木製品を採用している。

しかし、地域連携については生産人口の減少が課題となっているという。特に東白川村では高齢化や人口減少に伴い、加工技術者の不足が深刻化。資源は潤沢にあっても生産できる量が限られるため、地域資源の活用が限界を迎えることが懸念されている。こうした課題に対応するためにも、継続的な対話の実施を重要視しているという。

連携している2地域とWEBや対面で打ち合わせを行うことで取り組みの可能性を検討。その結果、諸塚村からホテルの朝食提供時に使用する備品の新規提案があったり、ホテル側から東白川村・諸塚村に温泉に浮かべるヒノキプレートを作れないかと相談したりと、具体的な木材活用の可能性とその模索につながった。

また、グリーンツアーの継続だけでなく、顧客参加型のエコツアーの実現に向けて動き出している。

地球環境と地域、双方に寄与するビジネスモデルを確立させているスーパーホテル。進化、そして深化を続けることで、持続可能な社会の実現に向けて、業界のエコ先駆者としてのリーダーシップをさらに発揮し続けるだろう。

◇ ◇ ◇


アンケート

どの企業も試行錯誤しながら、SDGsの取り組みをより良いものに発展させようとしています。今回の記事で取り上げた事例について、感想などありましたら下記よりお寄せください。

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【関連記事】
地域と環境をつなぐ挑戦「CO₂実質ゼロ泊」とは?...エコ活動の先駆者・スーパーホテルの革新的取り組み

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