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廃棄予定だった「牛の尿」を資源として再利用、地球の課題を解決?

Upcycling Cattle Urine

2025年4月1日(火)10時45分
酒井理恵(ライター)

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2021年に製品パッケージをリニューアル。清潔感があるデザインに生まれ変わった COURTESY OF KANKYO DAIZEN

牛の尿を発酵させた液体が臭いを消すメカニズムには依然として未知の領域も多いものの、引き続き謎の液体の解明を進めている。

大学のほか、事業の確立には生産者や地元業者との密な関係性構築も必須だ。資源となる牛の尿は酪農家やJA(農業協同組合)の設備で1次発酵した後、一定の品質基準を超えたものを環境大善が買い取る仕組みになっている。

それを専門の運送業者が工場まで運搬し、2次工程・最終工程を経て商品化され、消費者へ届けられる。商品のラベル貼りは社会福祉法人などが請け負う。


窪之内は「乳牛はたくさんの水を飲み排尿するが、一部の尿は利用されることなく捨てられている。だからこの仕事に関わる人々のためにも、われわれはもっと商品を売らなければならない」と思いを語る。

「特に生き物を相手にする酪農家は、一日たりとも休むことはない。酪農家がどこも厳しい状況に置かれるなか、この仕事に携わる人が夢を見られる環境づくりに貢献したい。『きえ~る』の販売戦略や販売状況を酪農家にも共有することで、彼らのモチベーションの維持・向上につながるよう心がけている」

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