アメリカ、ヒズボラ武装解除支援でシリア暫定政府にレバノン越境作戦要請...シリアは慎重姿勢
写真はイスラエル軍によるベイルート南郊への攻撃後、煙が立ち上る様子。3月10日撮影。REUTERS/Raghed Waked
米国はシリア暫定政府に対してレバノン東部に派兵し、親イラン民兵組織ヒズボラの武装解除を支援してほしいと要請しているが、シリア側は極めて慎重な姿勢を維持している。事情に詳しい5人の関係者が明らかにした。
ヒズボラは今月2日にイスラエルへの攻撃を開始し、イスラエルはヒズボラが拠点を置くレバノンに激しい空爆などを行っている。
シリア暫定政府高官2人を含む4人の関係者の話では、最初に軍部隊派遣案が米国と暫定政府の間で議論されたのは昨年だった。
さらに米国とイスラエルがイラン攻撃を開始した前後に、米国側がこの構想を再び持ち出したもようだ。2人のシリア暫定政府高官は、米国の要請があったのはイラン攻撃開始直前だったと述べ、ある西側情報部門当局者はイラン攻撃開始のすぐ後だったと明かした。
ロイターは6人のシリア暫定政府の高官および顧問、2人の西側外交官、1人の欧州当局者と西側情報部門当局者に取材。この10人はいずれも、シリア暫定政府はレバノンへの越境作戦を慎重に検討しているものの、実行には消極的なままだと指摘した。
米国務省報道官は「非公式な外交のやり取り」に関するコメントを拒否した。ただ米国のバラック・シリア担当特使はXに「米国がシリアにレバノン派兵を促しているとの報道は虚偽かつ不正確だ」と投稿した。
あるシリア暫定政府高官は、同国はアラブ諸国との間で、戦争からは距離を置き、自衛的措置のみを講じることで合意していると述べた。
シリア軍は2月初め以降、レバノン国境付近にロケット部隊と数千人の兵を配置しているものの、これらも防衛的な措置だと表明している。
シリアがレバノン越境作戦に二の足を踏んでいる背景には、イランからミサイルでの報復攻撃を受ける恐れや、国内の宗派対立激化を引き起こし、暫定政府による国内安定化の努力が損なわれる可能性がある。
一方シリア軍高官の1人は、レバノン領内でのいかなる作戦についてもまだ最終決定は下されていないと述べた上で、レバノン政府とヒズボラの間で衝突が起きた場合に介入する選択肢はなお検討対象だと付け加えた。
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