最新記事
SDGsパートナー

使われなくなった製品を回収・修理し、次の使い手へ...土屋鞄製造所が体現する「つくる責任、つかう責任」

2024年11月15日(金)17時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー
土屋鞄製造所による鞄の修理の様子

土屋鞄製造所の修理職人の手で、引き取った製品が修理(手縫製)される

<まだ使える状態だが、何らかの理由で使わなくなり現在は押入れにしまったまま......という製品が、多くの家庭に眠っているのではないだろうか。土屋鞄製造所は、そうした自社製品を再生し、有効活用する取り組みを行っている>

世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや商品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えに基づいてニューズウィーク日本版は昨年に「SDGsアワード」を立ち上げ、今年で2年目を迎えました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。

◇ ◇ ◇

使われなくなった自社製品を引き取り、次の使い手へ繋ぐ

「時を超えて愛される価値をつくる」をミッションに掲げ、子どもから大人まで幅広い世代の皮革製品の企画・製造・販売・修理まで一貫して行ってきた土屋鞄製造所。

これまでにも「ジェンダーレスなデザインのランドセル」や「在学中・6年使用後のランドセルの修理やリメイク加工」「基本的に断らない修理、補修」などSDGsにつながるさまざまな取り組みを実践してきた同社が近年力を入れているのが「TSUCHIYA REUSE(ツチヤリユース)」だ。

「TSUCHIYA REUSE」は、大人向けのブランド「TSUCHIYA KABAN」において、年に2回、手直しすれば使えるが、何らかの理由で現在は使われていない土屋鞄製の鞄や小物を引き取るキャンペーン。引き取った製品は修理やメンテナンス、クリーニングなどを行い、「REUSE品」として年に数回、直営店で販売される。

TSUCHIYA REUSE POP-UP STORE(西新井本店でのリユース品販売)の様子

TSUCHIYA REUSE POP-UP STORE(西新井本店でのリユース品販売)の様子

「『TSUCHIYA KABAN』の製品は長く使われることが前提ですが、何らかのきっかけでライフスタイルが変わることもあります。そうした節目に、まだまだ使える鞄や小物を引き取り、自分たちの手直しで再度販売できる状態にし、店舗に並べることで世に送り出した製品に寄り添い続けることができると考えています」と、「TSUCHIYA REUSE」の引き取りや修理を担当するCRAFTCRAFTS部の笹田知裕氏は話す。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

石破首相「双方の利益になるよう最大限努力」、G7で

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 8
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 9
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 10
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中