最新記事
SDGsパートナー

「何気ない行動が持続可能な開発につながる」 バングラデシュ女性700人以上を日本品質の革職人に育成するFrankPR

2023年9月4日(月)10時40分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

バングラデシュの工房

バングラデシュの工房

こうした取り組みが生まれた背景について、FrankPRの代表取締役を務める松尾真希氏は自身の生い立ちが影響していると話す。

「私自身も父を50代で亡くし、母が手に職をつけて働いてくれたおかげで大学に進学することができました。現在は、障がい者雇用の推進や、日本国内でもシングルマザーによるアウトソーシングを行うなど、私のように教育を受けられる子どもを増やすべく、ダイバーシティ&インクルージョンに力を入れています。」

革製品の販売を通じてサスティナブルな行動を促す

さらにFrankPRは、「Raffaello」を通してサスティナビリティやエシカルに無関心な層を取り込むことも目指している。

具体的には、「Raffaello」の革製品を純粋に「いい革製品だ」「かっこいいな」などと気に入って購入してもらった後、小冊子を配布したり、メールマガジンを配信することで、実はサスティナビリティをコンセプトにした商品であることを知ってもらう。

関心のない人に、「知らず知らずのうちにサスティナブルな選択をしていた」と気づいてもらうことで、意識変化や行動変化を促すのが狙いだ。

「保護猫を飼ったとき、友人に『サスティナブルな選択だ』と言われたことをきっかけに、何気ない行動が持続可能な開発につながることに気づいたという自身の経験が基盤となっています」と松尾氏は語る。

こうした取り組みが評価され、2021年の第9回環境省グッドライフアワード 環境と福祉賞に続き、2023年3月に外務省主催の第6回ジャパンSDGsアワード外務大臣賞を受賞。女性経営者、ファッション業界、スタートアップ企業で、両省のSDGsアワードをW受賞したのは初の快挙だ。

今後の目標について、「2050年には女性の雇用数1000人とカーボンフットプリントゼロを実現したい」と松尾氏。サスティナビリティの輪を広げながら、国境を越えた循環・共生型社会を構築しようとする同社の取り組みが、より多くの人々が貧困から抜け出す助けになることに期待したい。

「Raffaello」の革製品

「Raffaello」の革製品

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

川崎重と独タウルス社、技術協力を検討 巡航ミサイル

ワールド

ハンガリー首相、17日中にプーチン氏と会談へ

ビジネス

通商政策の影響受けた海外の経済・物価巡る不確実性、

ビジネス

日経平均は3日ぶり反落、米信用不安を嫌気 円高も重
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口減少を補うか
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 4
    間取り図に「謎の空間」...封印されたスペースの正体…
  • 5
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 6
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 7
    疲れたとき「心身ともにゆっくり休む」は逆効果?...…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    ホワイトカラーの62%が「ブルーカラーに転職」を検討…
  • 10
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 1
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 4
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 5
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 6
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中