最新記事
アルツハイマー

アルツハイマー病の劇的な治療法が遂に判明!? カギを握るのは「血管」だった【最新研究】

Scientists Achieve ‘Striking Reversal of Alzheimer’s’ in Mice

2025年10月7日(火)18時15分
ハンナ・ミリントン
ジグソーパズルのようになった脳

アルツハイマーが治療可能な病気になるかも Orawan Pattarawimonchai

<アルツハイマー病は、脳に老廃物が溜まることで認知症などを引き起こす病気であり、認知症の最も一般的な要因の1つとされている>

研究者たちは、脳に酸素と栄養を供給する脳血管系の正常な機能を回復させることで、マウスのアルツハイマー病は「著しい」回復を遂げたと発表した。

カタルーニャ生体工学研究所(IBEC)と四川大学華西病院(WCHSU)の研究者たちを中心とした研究グループは、ナノテクノロジーによってアルツハイマー病の「著しい」回復を実現できることを示した。

【動画】アルツハイマー病が起こるメカニズムとは?


「この研究は、アルツハイマー病を引き起こす『老廃物』タンパク質であるアミロイドβを迅速に除去し、血液脳関門の機能を健全化させることで、アルツハイマー病の病理を著しく回復させることが出来るという、驚異的な効果を示した」と、IBECの分子バイオニクスグループに所属する研究者、ロレナ・ルイス・ペレスは述べた。

通常、ナノ医療は治療分子を運搬するキャリアとしてナノ粒子を用いる。しかし、今回の研究では、ナノ粒子自体が治療剤として機能する「超分子薬剤」として活用された。

研究者によると、この治療法は、ニューロンや他の脳細胞を標的とするのではなく、「脳の環境を調節する血管の門番」である血液脳関門の機能を回復させることで効果を発揮するという。

「この『門番』を回復させることで、脳が自己調整を行えるようになり、他の治療の効果も高まる」と、IBECのカタルーニャ先端研究機関(ICREA)のジュゼッペ・バッターリア教授は本誌に語った。

「現在、アルツハイマー病を確実に逆転させる治療法は存在せず、せいぜい進行を遅らせる程度だ。しかし、われわれの研究成果は、脳の健康を維持する脳関門を修復するという新たな治療法を示している」

さらに、バッターリアは、脳の防御機構を回復させる治療法につき、「日々の機能低下を減らし、自立した生活をより長く維持できる可能性がある。既存の薬への反応も改善されるだろう。これは、家族にとって意味のある時間が増えるだけでなく、介護負担の軽減にもつながるだろう」と述べた。

まちづくり
川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に──「世界に類を見ない」アリーナシティプロジェクトの魅力
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

オーストラリア、G7の重要鉱物同盟に参加 カナダと

ワールド

中国、「出産に優しい社会」構築へ 社会保障制度の整

ワールド

中国、26年国防予算7%増 伸び5年連続7%台

ビジネス

中国、国有銀行に3000億元注入へ 資本市場アクセ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 6
    「イランはどこ?」2000人のアメリカ人が指差した場…
  • 7
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 10
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 4
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 9
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中