筋肉が育つだけでは動けない...「爆発力」を支える「無敵の5原則」とは?

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<体ひとつで爆発力を呼び覚ます「監獄生まれ」の自重トレーニングが、いまここに蘇る>
日本でも定着した「自重トレーニング」は、自らの体重を利用することで、体に無理がなく、本当の強さが身に付く筋トレの王道。
その伝道者で元囚人、キャリステニクス研究の第一人者ポール・ウェイドによる『プリズナートレーニング 実戦!!! スピード&瞬発力編 爆発的な強さを手に入れる無敵の自重筋トレ』(CEメディアハウス)の「CHAPTER2 イクスプローシブ・キャリステニクス──5つの原則──」より一部編集・抜粋。
監獄生活と決別した後、筋力や瞬発力をつけるために、世間でどんなトレーニングをやっているか見て回ったことがある。控えめに言ってもそこには混沌と退化しかなかった。
パワーやアジリティ能力を得るために、何世紀にもわたって使われてきた自重力トレーニング──たとえば、古式の拳法から引き継がれたメソッドなど──は影も形もなかった。代わりとなっていたのが、コーン、弾性バンドといった現代的な器具を使ってのトレーニングだった。
そもそも、いわゆる瞬発力トレーニングをやっている人がとてつもなく少なかった。機能的スピードやアジリティ能力を必要とする、格闘技とかフットボールなどのスポーツをやるアスリートであっても、ルーチンに補足的に加えているだけ。
ジムに搦め捕られたアスリートになると、その類のトレーニングは頭の片隅にもないように見えた。ウエイトやマシンによる外部荷重を用いたボディビルディング的動作を教えられ、分離させた筋肉(や、筋肉群を)を、ゆっくり、あるいは、なめらかなスピードで黙々と鍛える群れ。
機能的スピードやアジリティはどこに? と探し回ったものだ。