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囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる

2025年7月26日(土)09時30分
ポール・ウェイド(元囚人・キャリステニクス研究家)

先祖の生活を踏襲するかのように、太陽が地平線の下に落ちると(消灯すると)、脳と神経系のスイッチが強制終了され、そこから先は充電時間に入る。多くの囚人は毎晩10時間眠る。おまけとして昼寝が加わることもある。

外の世界はまったく違う。電球、液晶テレビ、ノートパソコン、携帯電話などの「人工的な太陽」をオンにしさえすれば「太陽」を24時間コントロールできる。


飲みに出かけたり、パーティーに興じたり、一晩中ネットフリックスを観たりすることができる。ほとんどの人──特に若者──の睡眠パターンはカオスの中にあるのだが、それでいて、不眠症や睡眠問題に悩む自分を不思議に思っている。

彼らの脳は、何が起こっているかを突き止める糸口さえ見つけられずにいる! ルーチンがなく、眠りよりも刺激を優先する生活が当たり前になった結果、現代アメリカ人の平均睡眠時間は7時間をきっている。それよりずっと少ない人も多い。

フィットネスライターの多くが休息と睡眠を同じカテゴリーに入れて論じているが、それは違う。特殊な生理状態をわたしたちにもたらすのが睡眠だ。

10分の睡眠は、10分どころか1時間の休息以上のものになる。睡眠には、休息が脳と体にもたらす利点のすべてが含まれている。

しかし、その逆は真ではない。ハードなトレーニングをこなしながら次の休息日を待つのは楽しいものだが、どれだけ休もうが眠ることの足元にも及ばない。

たとえば、ヒトが眠ると以下のようなものを脳の中で産生する。

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