最新記事
睡眠

悪夢が「細胞を老化」させる可能性...週1回以上で「早死リスク」にも?【最新研究】

Nightmares Linked to Earlier Death — Study

2025年7月13日(日)10時50分
アンドリュー・スタントン
悪夢

Mita Stock Images-shutterstock

<死亡リスクが3倍に跳ね上がる...睡眠中の現象にとどまらず、悪夢が心身の慢性的ダメージのサインである可能性について>

悪夢は単なる厄介ごとではないかもしれない。最新研究によると、悪夢による身体に与えるストレスの負荷が、早死の一因となる可能性があるという。

米国睡眠医学会(AASM)によれば、成人の約85%が「時々、悪夢を見る」と回答。インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)の神経科学者であるアビデミ・オタイク博士による今回の研究では、悪夢の頻度が高いことが早死にの一因となり得ることが判明。本研究は6月に欧州神経学会(European Academy of Neurology)で発表された。


 

本誌の電話取材に応じたオタイク博士によると、本研究はアメリカとイギリスの2カ国の8歳から86歳までの18万人以上を対象に、6つの大規模研究をもとに19年間追跡調査したものだ。

子供も大人も、悪夢の頻度が高い人ほど老化が早く進む傾向があることが判明したという。オタイク博士は次のように述べる。

「月に1回未満しか悪夢を見ない人と比べ、毎週のように悪夢を見る人は、早死にする可能性が3倍以上高いことが示されました」

悪夢が早死につながる要因は大きく2つある。ひとつは「強烈な心理的ストレス」だ。オタイク博士は次のように述べる。

「夢を見ている間、脳は現実と非現実を明確に区別できません。そのため、現実で脅威を感じたときに起きる『闘争・逃走反応(fight-or-flight response)』と同じ反応が、夢の中でも起きてしまうのです」

また、悪夢はストレスホルモンであるコルチゾールを分泌させ、それが細胞の老化を早めるという。

もう1つの早死につながる要因は、悪夢によって睡眠が妨げられることだ。オタイク博士は次のように指摘する。

まちづくり
川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に──「世界に類を見ない」アリーナシティプロジェクトの魅力
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

最近の急速なウォン安・円安、深刻な懸念共有=日韓対

ワールド

米戦略石油備蓄の第1弾、来週末までに供給 8600

ビジネス

日立とGEベルノバ、東南アジアで小型モジュール炉導

ワールド

米商務省、AI半導体輸出の新規則案を撤回 公表から
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 2
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革命をもたらす「新世代ドローン」とは?
  • 3
    イラン攻撃のさなか、トランプが行った「執務室の祈祷」を中国がミーム化...パロディ動画が拡散中
  • 4
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 5
    ファラオが眠る王家の谷に残されていた「インド系言…
  • 6
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 7
    ホルムズ封鎖で中国動く、イランと直接協議へ
  • 8
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    『ある日、家族が死刑囚になって』を考えるヒントに…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 8
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中