生活の質が劇的にアップする。がんサバイバーにおすすめのモーニングメソッドとは
4.読書
読書は、言うまでもなくとても良い習慣でぜひ継続したい「朝活」のひとつだ。好きな分野の本で良いので、がん患者さんには、ポジティブな気持ちになれる本をおすすめしたい。
例えば、がんを克服した人の闘病記や、苦境を乗り越えて成功した人の自伝などがよいだろう。闘病記では、以下の本をおすすめする。
『5度のがんを生き延びる技術 がん闘病はメンタルが9割』(幻冬舎/著:高山知
朗)
『がんステージⅣ克服 「転移」「再発」「余命告知」からの回復記録』(ユサブル/
著:杉浦貴之)
『がんが消えていく生き方 外科医ががん発症から13年たって初めて書ける克服法』
(ユサブル/著:船戸崇史)
苦しい治療で落ち込んだ際などに、これらの本から得た知識によって救われることもある。短時間でも良いので読書を習慣にすることをおすすめしたい。
5.日記(日誌)
日記をつけている人は多いと思うが、毎朝、その日の気持ち、体調、計画、不安なこと、感謝していること、叶えたい夢など、何でもいいので書き留めておくとよい。まず、思っていることを文字として書き出すことで、頭が整理される。
日記を読み返すことで、辛かった時期を乗り越えてきたことを実感できたり、不安に思っていたことが杞憂だったことに気づいたりと多くの収穫があるはずだ。どんな日記でもよいが、特におすすめは「5年日記」や「10年日記」だ。
これは、文字通り5年先や10年先までの日付が入っていて、1年後の同日に何をしたのか、何を考えていたのかなどを振り返りながら、日記をつけることができる。この日記に、その日のことを書き込むだけでなく、将来の計画や夢をどんどん書き込んでいく。
例えば、
・好きなアーティストのコンサートに行く
・クリスマスにケーキを買ってお祝いする
・年末に友人や家族と温泉旅行に行く
・次のオリンピックを観戦しに行く
・がん告知を受けた日の5年後に家族全員で料亭でお祝いをする
といった計画である。そして、何度も将来の予定を見ながら実際にその日まで生きている自分をイメージしてみるのだ。日記に書き込んだ予定がきっと現実になるだろう。
6.運動
最後は運動だ。がん患者さんにとって、運動をするメリットはたくさんある。朝散歩(ウォーキング)などの有酸素運動でも良いしスクワットなどの筋トレでも良い。まずは10分間で良いのでトライしてみて欲しい。
毎朝、違う運動を行っても良い。私の場合、ベッドの横にエアロバイクを置いて、起きてすぐに飛び乗って20分間自転車こぎをしている。最初は辛かったが、いつの間にか習慣になり10年近く続けている。
朝に限らず、都合の良い時間帯に運動をしても良いのだが、「朝活」に運動を組み込むと、毎日の習慣になって続けることができるので、おすすめだ。
このように、がん患者さんにおすすめの朝活は、瞑想、アファメーション、イメージング、読書、日記、そして、運動である。ちなみに、それぞれの順番や時間は、好みや生活スタイルに合わせて調節して欲しい。
およその目安としては、瞑想とアファメーション、イメージングが各5分、読書が20分、日記が5分、運動が20分で、トータル60分。この朝活を使って、今日も素敵な1日を過ごして欲しい。
佐藤典宏(さとう・のりひろ)
帝京大学福岡医療技術学部教授。福岡県生まれ。九州大学医学部卒。2001年から米国ジョンズ・ホプキンズ大学医学部に留学し多くの研究論文を発表。1000例以上の外科手術を経験し、日本外科学会専門医・指導医、がん治療認定医の資格を取得。多くの人にがんに関する情報を提供するため、公式YouTube「がん情報チャンネル・外科医 佐藤のりひろ」を開設。チャンネル登録者数は20万人を超える(2025年4月現在)。『専門医が教える最強のがん克服大全』(KADOKAWA)、『がんにも勝てる長生き常備菜』(主婦と生活社)など著書多数。
がん情報チャンネル:https://ganninfo.jp
がん相談サロン:https://yoor.jp/door/norihirosato
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