最新記事
メンタルヘルス

パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタミンB12」と食事療法とは?

2025年4月25日(金)08時40分
クラウス・ベルンハルト(臨床心理士)

彼はおならやゲップに悩んでいる人々がしばしば初期の不安症の患者に現れる兆候(のぼせ、心悸亢進[しんきこうしん]、息切れ、不安、めまい、睡眠障害、不整脈など)を示すことに気づきました。

これはどこから来るのでしょうか? 


 

臨床医学ハンドブック『エクサプラン』によればこうです──消化管に空気が溜まることによって横隔膜が押し上げられ、直接あるいは間接に心臓が圧迫される。これはさまざまな心臓疾患のもとになるが、とりわけ狭心症と似た痛みを引き起こす。重篤な場合には短期間失神することもある。

もしおならやゲップがひどくなったのなら、あなたの不安の原因は「単なる」ロエムヘルド症候群かもしれません。

幸いなことにこれは簡単なテストでわかるうえ、安心して飲める薬がたくさんあります。不安がまだ脳の奥深くに根を下ろしていない初期の段階なら、大丈夫、横隔膜を圧迫しなければ、不安も起きません。

一番簡単なのは、宗教改革をしたルターの時代(16世紀)にはごくあたりまえだったように、思う存分ゲップをし、おならをすることです。

とはいっても、家庭や職場ではなかなか難しいでしょうから、それよりむしろ食事療法をお勧めします。試しに2週間、ガスが溜まりやすくなる食べ物をすべて避けてみてください。もし本当にロエムヘルド症候群にかかっているなら、これだけで大きな変化が見られます。

ガスを溜まりやすくする食べ物は、ガスを溜まりにくくする食べ物同様、豆類、タマネギ、バナナ、リンゴ、キウイ、パン、乳製品、肉類、炭酸飲料、糖類など、とてもたくさんあります。


クラウス・ベルンハルト(Klaus Bernhardt)
臨床心理士。科学・医療ジャーナリストとして活躍後、心理学、精神医学を学ぶ。現在、不安症やパニック発作の専門家として、ベルリンでカウンセリングルームを開設。最新の脳科学に基づいた画期的療法はドイツで注目を集めている。脳神経科学教育マネジメント協会(AFNB)会員。


newsweekjp20250414150619-32ebf3f754e13777851778862462f92034b83d89.png

 『敏感すぎるあなたへ 緊張、不安、パニックは自分で断ち切れる
  クラウス・ベルンハルト[著) 平野卿子[訳]
  CEメディアハウス[刊]

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ネクスペリア中国部門「在庫十分」、親会社のウエハー

ワールド

トランプ氏、ナイジェリアでの軍事行動を警告 キリス

ワールド

シリア暫定大統領、ワシントンを訪問へ=米特使

ビジネス

伝統的に好調な11月入り、130社が決算発表へ=今
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 5
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    自重筋トレの王者「マッスルアップ」とは?...瞬発力…
  • 10
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 10
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中