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自然の中を90分歩くだけで「うつ」が減少...おススメは朝、五感を刺激する「ウォーキング・セラピー」とは?

2025年3月15日(土)09時40分
ジョナサン・ホーバン(臨床心理士)

どこを歩くか

やみくもに歩き始める前に、自宅の周辺環境を観察しましょう。都会? 郊外? それとも田舎? 田舎であれば、緑豊かなエリアや小道を探すのは難しくないでしょう。

一方、都会や郊外の場合は自然が少ないと考えがちですが、実はそうでもありません。ロンドンだけも、3000以上の公園と、3万5000エーカーの緑豊かな公共空間、そしてなんと800万本もの街路樹があります。つまり、どんな大都会の住人にも、自然豊かな場所を見つけられない理由などないわけです。


 

自然の中を歩かなければウォーキング・セラピーの効果を得られないわけではありませんが、可能な限り、緑の多いエリアを探すことは重要です。

たとえば、通勤の一部を徒歩に変えてはどうでしょう。1時間早く家を出れば、ウォーキングをしても始業時間までに職場に到着できます。仕事を終えた後に公園や森、川沿いの道を選んで徒歩で帰宅するのもいいでしょう。住んでいる地域の地図を広げ、緑の多いエリアや散歩にちょうどいい道を探してみましょう。

【注】
(*1)Gregory N. Bratman gbratman@stanford.edu, J. Paul Hamilton, Kevin S. Hahn,and James J. Gross, Nature experience reduces rumination and subgenual prefrontal cortex activation, June 29, 2015, Psychological and Cognitive Sciences, 112 (28) 8567-8572


ジョナサン・ホーバン(Jonathan Hoban)
臨床心理士。ウォーキングにより自身がうつ病と依存症を克服した経験から、「ウォーキング・セラピー」を提唱し、その第一人者として活躍する。2014年に診療所「ウォーキング・セラピー・ロンドン(Walking Therapy London)」を開設。「英国カウンセリング・心理療法協会(BACP)」正会員。


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