最新記事

ヘルス

「タンパク質ダイエットには腸活が欠かせない」 順天堂大・小林教授が毎朝実践する4つの習慣

2022年7月2日(土)18時20分
小林弘幸(順天堂大学医学部教授) *PRESIDENT Onlineからの転載
順天堂大学医学部の小林弘幸教授

*写真はイメージです baona - iStockphoto


健康的な体づくりのためには、なにが重要なのか。順天堂大学医学部の小林弘幸教授は「腸内環境を整えることを考えてほしい。体重が心配な人も、腸をよくすれば自然とやせられる。私は腸内環境のために毎朝必ず4つのことをしている」という――。

※本稿は、小林弘幸『お腹いっぱい食べても太らない医師が発案した たんぱく質ダイエット』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。

たんぱく質ダイエットには"腸活"が欠かせない

たんぱく質を摂ると、基礎代謝がアップして太りにくい体を手に入れることができます。じつはこの「たんぱく質ダイエット」には、腸活が欠かせません。

たんぱく質を意識して以前より摂取量を増やすと腸内環境が乱れるケースがあるためです。腸内環境の良し悪しは「やせやすさ」に大きく関わっていて、たんぱく質摂取と腸活をセットで行わないと、すべて無意味に終わってしまう可能性があるのです。

私たちの腸内には、「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」という割合で腸内細菌がバランスを取りながら生態系を構築しています。たんぱく質の中でも動物性のものは消化される際に、悪玉菌のエサになる窒素を生み出して腸内の悪玉菌を活発にします。

動物性たんぱく質に偏った食生活が続くと悪玉菌が増加して、生態系全体のバランスが崩れ、様々な悪影響を及ぼしかねません。また、たんぱく質は、ほとんどが栄養分として吸収されてしまうため、食物繊維が不足すると便のカサが増えず、腸のぜんどう運動も起こりにくくなって、便秘を引き起こします。慢性的な便秘は、腸内環境の悪化を招くため注意が必要です。

私はこれまで、腸と自律神経の専門医として多くの患者さんを診察してきましたが、そこで辿り着いた結論は「腸をよくすれば自然とやせられる」ということ。なぜなら、腸の働きは食べ物の消化・吸収・排泄のほかに、血液の質にも大きな影響を与えているからです。

発酵性のたんぱく質食材を食べれば一石二鳥

血液は、「肺から取り込んだ酸素」と「腸から取り込んだ栄養」をのせて全身の細胞に運んでいます。もし腸内細菌のバランスが乱れて腸の機能が低下すると、ドロドロとした質の悪い血液が作られてしまいます。細胞は敏感ですから、そういう質の悪い血液が運んできた栄養は拒否します。

すると栄養の受け渡しができず、細胞はエネルギー不足で元気に働けなくなり、体全体の代謝が低下します。しかも届けられずに余った栄養は、細胞の周りにある脂肪に溜め込まれ、肥満をも招いてしまうのです。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

クルド人組織PKKが武装解除、トルコとの対立終結へ

ワールド

ウクライナ、ロシア西部にドローン攻撃 戦闘機・ミサ

ワールド

米、ウクライナ軍事支援再開 ゼレンスキー氏が表明

ワールド

ブラジル大統領、報復辞さないと再表明 トランプ氏は
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「裏庭」で叶えた両親、「圧巻の出来栄え」にSNSでは称賛の声
  • 2
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 3
    トランプはプーチンを見限った?――ウクライナに一転パトリオット供与継続の深層
  • 4
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 5
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、…
  • 6
    セーターから自動車まで「すべての業界」に影響? 日…
  • 7
    【クイズ】日本から密輸?...鎮痛剤「フェンタニル」…
  • 8
    『イカゲーム』の次はコレ...「デスゲーム」好き必見…
  • 9
    英郵便局、富士通「ホライズン」欠陥で起きた大量冤…
  • 10
    アメリカの保守派はどうして温暖化理論を信じないの…
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 3
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 4
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 5
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 6
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 7
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 8
    孫正義「最後の賭け」──5000億ドルAI投資に託す復活…
  • 9
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 10
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中