最新記事

自己啓発

こんな人と一緒に働いたら絶対ダメ 人間関係を破壊する人に共通する「4つの毒」

2022年5月8日(日)15時23分
松村亜里(心理学者、ニューヨークライフバランス研究所代表) *PRESIDENT Onlineからの転載
オフィスで議論する人たち

*写真はイメージです Masafumi_Nakanishi - iStockphoto


心理的安全性の高い職場を作るためにはどうすればいいのか。心理学者の松村亜里さんは「心理的安全性をつくるには、人間関係を壊す『批判』『侮辱』『自己弁護』『逃避』という4つの毒を減らす必要がある」という――。

※本稿は、松村亜里『誰もが幸せに成長できる 心理的安全性の高め方』(WAVE出版)の一部を再編集したものです。

母親は「子育てスキル」と「つながり」のどちらを優先すべきか

まずは、心理的安全性を高めるためのベースとなる、一番大切な基本的欲求、〈関係性〉についてお話ししていきましょう。

心理的安全性の定義――たとえ対人的なリスクをとっても、このチームは安全であるという共通の認識を、メンバーが持っていること――を思い返してみても、関係性がその要となっていることがわかりますね。

よい関係性がつくれれば、心理的安全性はグッと高まります。

そこで、いきなりですが、あなたに質問です。

あなたは、お母さんが子育てに関する最強の情報やスキルを持っているのと、質のよいつながりがあるのとでは、どちらが幸せに大きく影響すると思いますか?

「いくら関係性の話をするからって、それはやっぱり情報やスキルでしょう」

という声が聞こえてきそうですね。私も、これは子育てで最初に陥ったワナでした。

実は、答えは「質のよいつながり」。子育ての研究では、いくら多くの情報や最強の子育てスキルを持っていても、1人で頑張っていたのでは、精神的にも肉体的にも限界があることがわかっています。

パートナーや親、友だち、コミュニティのメンバーなどとよいつながりがあって、子育てについて相談し合ったり、助け合ったりできたら、もっと幸せに子育てができるのです。そのくらい、人との関係性は大事なことなのですね。

母親を亡くした猿の赤ちゃんが求めたもの

「質のよいつながり」と「質のよい情報やスキル」の両方がなければ、人はよい方向へ変化することはできない――これは、私が長年教育現場で心理学を教え、カウンセリングをしてきた中で、行き着いた結論です。

こうしたよい関係性は、幸せだけでなく、挑戦と成長にもつながります。

ここで、それを実証した心理学者ハリー・ハーロウ氏の、母親を亡くした猿の赤ちゃんの実験を紹介しましょう。

この実験では、母親を亡くすと早世してしまう猿の赤ちゃんに、2つのつくり物の猿のお母さん――1つはミルク入り哺乳瓶を持った針金製、もう1つは哺乳瓶を持たないけれど温かい布製のぬいぐるみを与えました。

すると赤ちゃんは、布の母親になつき、1日の大半を檻で一緒に過ごすようになりました。

ここでは、赤ちゃんと布のお母さんのよい関係性が育まれたと言えます。

そこで今度は、針金の母親といるときと、布の母親がいるときの別々に、新しく熊のぬいぐるみを与えました。最初は猿の赤ちゃんは、どちらと一緒にいるときも、熊のぬいぐるみをとても怖がっていました。

ところがしばらくすると、針金の母親といるときは、いつまでも檻の隅にうずくまって怖がっていたのが、布の母親といるときは、初めはお母さんにすがりついていても、少しずつ、熊のぬいぐるみに興味を持って近寄るようになったのです!

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

米ウクライナ首脳会談開始、安全保証巡り協議へとトラ

ワールド

ロシア、ウクライナへのNATO軍派遣を拒否=外務省

ビジネス

トランプ政権、インテル株10%取得巡り協議中と報道

ビジネス

米「MSNBC」が「MS NOW」へ、コムキャスト
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    AIはもう「限界」なのか?――巨額投資の8割が失敗する現実とMetaのルカンらが示す6つの原則【note限定公開記事】
  • 4
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 5
    【クイズ】2028年に完成予定...「世界で最も高いビル…
  • 6
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 7
    アラスカ首脳会談は「国辱」、トランプはまたプーチ…
  • 8
    「これからはインドだ!」は本当か?日本企業が知っ…
  • 9
    恐怖体験...飛行機内で隣の客から「ハラスメント」を…
  • 10
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 4
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 5
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 7
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 8
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 9
    「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) …
  • 10
    【クイズ】アメリカで最も「盗まれた車種」が判明...…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中