最新記事

ヘルス

「寝はじめる姿勢」で目覚めが変わる 寝ても疲れが取れない人に共通する「睡眠の大間違い」

2021年6月27日(日)16時01分
夏嶋 隆(メディカルトレーナー、動作解析専門家) *PRESIDENT Onlineからの転載

ちなみに、いま腰痛もちで横向きで寝ている人は、下側の足と上側の足をずらして寝ていることが非常に多いです。下側の足だけでなく、上側の足もベッドにつけている状態です。この体勢で寝ていると、骨盤がねじれます。すると全身のバランスに左右差が生まれてしまうため、疲れやすい体になってしまいます。

歩き出すとき、いつも右足(左足)から踏み出す、靴下を履くとき右(左)のほうがラク、というような人は、骨盤がねじれている証拠です。

普段の生活で意識的に左右の体をバランスよく使って、左右差を改善していくことが、腰痛の緩和や、質の高い睡眠ができるようになるために大切なのです。

マッサージだけでは疲れはすぐに溜まる

ここでは、質の良い睡眠をとるための方法についてご紹介しましたが、拙著疲れないカラダ大図鑑』では、睡眠の仕方以外にも、疲れない座り方や歩き方、疲れない家事の仕方など、厳選した100の疲れない方法を解説しています。

なんだか体が重い、肩や腰がだるい......。そう感じてマッサージを受けに行く方は多いと思います。マッサージを受けた直後は心地の良い体の軽さに満足していたのに、家に着いたときには元に戻っていたという話を、私の治療院に初めて訪れる方からよく聞きます。

ゆっくりと時間をかけて全身をほぐしてもらうマッサージは、血流も促進されて非常に気持ちのよいものです。

ですが、マッサージだけでは、疲れを発生させている根本原因、間違った姿勢や動きは改善しません。これまで通り、疲れを呼び込む立ち方や歩き方をして帰宅してきたら、元に戻っているのは当然の結果と言えるでしょう。

疲れにくい体を手に入れられるかどうかは、体の使い方がカギを握っていると言えます。○○が9割という言葉の使い方が流行していますが、ことこれに至っては、10割といってもいいほど体の使い方がとても重要です。

疲れない体の使い方を身につければいい

しかも疲れない体の使い方は、どなたでも、いますぐにできます。

『疲れないカラダ大図鑑』たとえば、頬杖をつくときは両手をジャンケンのグーにしアゴを支える、運転するときには定期的にハンドルを握る位置を変えるなど、ほんの少しこれまでと違う体の使い方をするだけでいいのです。それだけでこれまで感じていた体の負担は軽減するはずです。

疲れない体の使い方を身につければ、これまでやむを得ず支出していたマッサージ代も浮き、自分の好きなことにもっと使える余裕も生まれます。

仕事やプライベートで疲れを感じたときに、すぐに役に立つテクニックを100紹介した『疲れないカラダ大図鑑』を参考にしていただき、みなさんが疲れ知らずの人生をおくれるよう願っています。

夏嶋 隆(なつしま・たかし)

メディカルトレーナー、動作解析専門家
1957年、大阪府出身。大学卒業後に実業団バレーボール部の指導者としてキャリアをスタートさせるが、自身の足のケガをきっかけに手技療法の道に。久光製薬バレー部元監督。大阪体育大学サッカー部、関西国際大学トレーナー。現在は、メディカルサポートやアスリートの動作解析を行っている。メディア出演も多数。


※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら
presidentonline.jpg




今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ナワリヌイ氏殺害、プーチン氏は命じず 米当局分析=

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    美女モデルの人魚姫風「貝殻ドレス」、お腹の部分に…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「気持ち悪い」「恥ずかしい...」ジェニファー・ロペ…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 7

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 8

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中