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「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるのに......「日本人ファースト」に追い詰められる子どもたち

2026年3月3日(火)21時00分
大橋希(本誌記者)

実際は、「外国人問題」にエビデンス(証拠)はなく、外国人の数は増えても犯罪は減っている。社会保障についても、国民健康保険の外国人被保険者の割合よりも、総医療費に占める割合は少ない。むしろ外国人に日本の社会保障は支えられている。

今は人気のある高市早苗首相が外国人政策の強化を喧伝しているので、例えば「不法滞在者」という言葉が学校の教室でさえ話題になる。私の知り合いのナイジェリア出身の高校生は、在留資格がない仮放免であることを友人に黙っていた。ところがある日、「あんたも不法滞在者ちゃう?」と友人に冗談まじりに言われた。もちろん深く傷つき、家に帰って泣いたという。


仮放免は一時的なもののはずだが、難民申請に時間かかるため、長く日本で暮らしている彼女のような子どもは数百人単位でいる。政府の統計では、彼らは「不法滞在者」に分類される。

仮放免の間はアルバイトもできない。国民健康保険の対象でもない。親が働けないので学費を出せず、高校を卒業しても大学に行けない。そんな行き詰まった状況でも、日本語で育って日本語しか知らず、やっぱり日本で暮らしたいという子たちがいる。

――昨年5月には、入管庁が不法滞在者ゼロプランを発表した。正式には「国民の安心安全のための不法滞在者ゼロプラン」。入管庁のサイトには「ルールを守らない外国人に係る報道がなされるなど国民の間で不安が高まっている状況を受け」とあるが、「体感治安(人々が感覚的に認識する治安)」の問題なのに、本当に危険が存在するかのように書いている。

そうすると、国民も「やっぱり外国人は不安な存在なんだ」と思ってしまう。誹謗中傷やヘイトスピーチをする人たちを正当化するようなことを、政府がやっているような[伸池2.1]ものです。

高市首相も昨年11月、「外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議」を招集し、最初に指示したのが「ルールを守らない外国人にルールを守ってもらう」ことで、不法滞在者ゼロプランを強力に推進するとした。

日本では入管庁が強大な権力を持っていて、在留資格を与えるか、与えないかは入管庁だけが判断できる。その中で家族が一緒に住む権利などが侵害されている。

日本が79年に締結した自由権規約は、家族が一緒に住む権利(家族結合権[伸池3.1])を保障している。また、1994年に批准した子どもの権利条約は、「児童は両親の意思に反して分離されるべきではない」と定めている。

他国の例では、こうした人権侵害を国連に訴えれば国連が勧告を出すこともあるが、日本ではそれができない。人権侵害を訴える「個人通報制度」を利用できない形で条約を結んでいるんです。

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池尾が取材を始めた22年頃は、「外国人問題」は日本人の関心の外だった HISAKO KAWASAKI-NEWSWEEK JAPAN

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